寺院の次はコーヒー農園に向かう。
「コーヒープランテーション」と聞いて、ついつい植民地時代にヨーロッパ人が現地人を酷使し搾取してきた歴史をイメージしてしまったのだが、ドライバー氏によると「バリ島には昔からオリジナルのコーヒー豆があって、自分たちで育てて来たんだよ」と聞いて驚いた。
しかしWikipediaのジャワコーヒーの項によると、やはり17世紀にオランダから持ち込まれたようだ。。
<<<前回の投稿『Bali ~ 初のバリ島。グヌン・カウィ寺院とティルタ・エンプル寺院。』はこちら
バリ島の人々が話す英語は「Mother」を「マザル」と発音するなど独特の訛りがあって、時々何を言っているかわからなくなるのだが、ドライバー氏が「コピ」とか「コッピ」と言っているのが「Coffee」のことだとわかるのに少し時間がかかった。
ただしこれは発音の問題ではなく、バリ島でコーヒーはKopiというちゃんとした名詞になっている。恐らくCoffeeの発音が訛って定着したのだろう。
コーヒー農園の中は濃い緑で覆われている。
カカオの木。
僕はコーヒーを飲まないので知らなかったが、バリ島のコーヒーといえば「コピ・ルアク」が有名らしい。ドライバー氏は「アニマルコーヒー」と呼んでいた。
「コピ・ルアク」とは要するに、写真のジャコウネコ科の動物が美味しいコーヒー豆を見つけて食べるのがめっぽう上手いらしく、その上質な豆をタップリと食べた彼らの排泄物の中から採られた未消化のコーヒー豆のことである。
ブログにそのまま掲載するのは控えるけど、その排泄物をご覧になりたい方はこちらからどうぞ。
バリ島の男たちはとにかくコピとタバコが大好物らしい。「仕事の合間のコピのために働いているよなもんだよ」と男が笑いながら言い、実際に収入の多くをCoffee&Cigaretteに費やしているそうだ。
コーヒーの焙煎過程の実演コーナー。
コーヒーを飲まない人間には何のことだか良くわからない。
手間がかかるんですね。。そして火の傍だからとても暑い。
ドライバー氏がこの葉っぱを手折って僕の鼻に近づけながら、「なんの葉っぱだと思う?」と尋ねた。
てっきりニラかと訝っていたら、なんとも爽やかな良い薫りが。これはニラではなく、レモングラスだった。
バリ島に来るまでは知らなかったけど、この地ではお茶や料理にレモングラスをふんだんに使うんだよね。
コーヒーの試飲会場へ。ここでつくられている数種類のコーヒーやお茶を無料で試してから、最後の売店で好みのコーヒーやお茶を買うというシステム。
ずらーり。どれも、砂糖や生姜などがたっぷりと入っていて、コーヒーがダメな僕にもなんとか飲むことができた。レモングラスティが美味しかったので、売店で買うことにする。
ここに写っている飲み物は無料だけど、コピ・ルアクは有料だった。日本円にして約500円。コーヒー好きの妻は嫌がったけど(なんせあの物体を見た後だし)、「ここまで来て体験しないのはもったいない」とコーヒーを飲めないのに貧乏症な僕が強く主張して、コピ・ルアクをオーダーした。
後からわかったけど、日本で飲むと一杯あたり数千円するらしい。
さらにその後わかったけど、養殖物のコピ・ルアクはあまり美味しくないらしい(笑)
ここで売られていたコピ・ルアクがどの程度のクオリティなのかはわからないけど、僕の印象としては普通のコーヒーと較べて酸味と透明感があるような味だった。しらんけど。
試飲コーナを後にして売店に到着すると・・・帳場でネコが寝ていた。
バリ島に来てネコを見るのはこれが初めてだ。
人間が忙しく働いていてもお構いなし。手伝っているのか邪魔しているのか。
あぁっ!寝てる場合やないで、仕事せなあかん!!
はて、わたいの仕事ってなんでしたっけ?
買い物を済ませたら、コーヒー農園を出てキンタマーニへ(Wikipedia)と向かう。標高約1,500mに位置するキンタマーニへと続く道は、そこかしこで道路工事が行われており(乾季に工事が集中するようだ)、往来するトラックや車が未舗装の砂を激しく巻き上げてフロントガラスの視界を黄色く濁らせる。
やって来ましたキンタマーニ。日本人なら一度はツッコミたくなる地名ではある。
ドライバー氏は車を停めるスペースを探すためにこの道路で我々を降ろし、「特に自分は観るものもないし、説明するほどの広さじゃないから車で待っている」と言い残して去って行った。
なるほど。「ザ・観光地」という風情だ。
ただし、バリ島の観光地の物売りは、他の東南アジアに比べると総じて穏やかな印象を受けた。
土産物の屋台でサングラスに並んで(たぶん)売られていた犬たち。
左手に見えるのがバトゥール山で、右手に広がるのがバトゥール湖。
バトゥール山は1917年と1926年に(2000年前後にも小規模な)噴火を起こしているようだ。手前に黒く見える溶岩の痕跡からも、なかなかお盛んな活火山だということがうかがい知れる。
キンタマーニ周辺だけでも、バトゥール山に登るほかに、風葬で知られる村を訪れたり、湖上を船に揺られて巡るなどの楽しみ方がいくつもあり、その気になれば丸一日かけても全く足りないほどの観光資源がある。
しかし我々は車から降ろされた道路でこの景色を15分ほど眺め、そそくさと次の棚田へと向かう。山と湖を眺めるだけならこの程度でじゅうぶんだし、今回はわざわざ疲れに来たわけではない。風葬の村で骸骨を見たくなったら、また今度ゆっくりと来た時にしよう。
ちなみに左手にあるトイレは、「利用料が20円ほど」とドライバー氏に聞いていたが徴収員はいなかった。トイレの利用環境は日本なら下の中といったところ。窓から見えるキンタマーニの眺めは良かったけどね。
『Bali ~ 初のバリ島。テガラランのライステラス。』へつづく>>>
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「コーヒープランテーション」と聞いて、ついつい植民地時代にヨーロッパ人が現地人を酷使し搾取してきた歴史をイメージしてしまったのだが、ドライバー氏によると「バリ島には昔からオリジナルのコーヒー豆があって、自分たちで育てて来たんだよ」と聞いて驚いた。
しかしWikipediaのジャワコーヒーの項によると、やはり17世紀にオランダから持ち込まれたようだ。。
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バリ島の人々が話す英語は「Mother」を「マザル」と発音するなど独特の訛りがあって、時々何を言っているかわからなくなるのだが、ドライバー氏が「コピ」とか「コッピ」と言っているのが「Coffee」のことだとわかるのに少し時間がかかった。
ただしこれは発音の問題ではなく、バリ島でコーヒーはKopiというちゃんとした名詞になっている。恐らくCoffeeの発音が訛って定着したのだろう。
コーヒー農園の中は濃い緑で覆われている。
カカオの木。
僕はコーヒーを飲まないので知らなかったが、バリ島のコーヒーといえば「コピ・ルアク」が有名らしい。ドライバー氏は「アニマルコーヒー」と呼んでいた。
「コピ・ルアク」とは要するに、写真のジャコウネコ科の動物が美味しいコーヒー豆を見つけて食べるのがめっぽう上手いらしく、その上質な豆をタップリと食べた彼らの排泄物の中から採られた未消化のコーヒー豆のことである。
ブログにそのまま掲載するのは控えるけど、その排泄物をご覧になりたい方はこちらからどうぞ。
バリ島の男たちはとにかくコピとタバコが大好物らしい。「仕事の合間のコピのために働いているよなもんだよ」と男が笑いながら言い、実際に収入の多くをCoffee&Cigaretteに費やしているそうだ。
コーヒーの焙煎過程の実演コーナー。
コーヒーを飲まない人間には何のことだか良くわからない。
手間がかかるんですね。。そして火の傍だからとても暑い。
ドライバー氏がこの葉っぱを手折って僕の鼻に近づけながら、「なんの葉っぱだと思う?」と尋ねた。
てっきりニラかと訝っていたら、なんとも爽やかな良い薫りが。これはニラではなく、レモングラスだった。
バリ島に来るまでは知らなかったけど、この地ではお茶や料理にレモングラスをふんだんに使うんだよね。
コーヒーの試飲会場へ。ここでつくられている数種類のコーヒーやお茶を無料で試してから、最後の売店で好みのコーヒーやお茶を買うというシステム。
ずらーり。どれも、砂糖や生姜などがたっぷりと入っていて、コーヒーがダメな僕にもなんとか飲むことができた。レモングラスティが美味しかったので、売店で買うことにする。
ここに写っている飲み物は無料だけど、コピ・ルアクは有料だった。日本円にして約500円。コーヒー好きの妻は嫌がったけど(なんせあの物体を見た後だし)、「ここまで来て体験しないのはもったいない」とコーヒーを飲めないのに貧乏症な僕が強く主張して、コピ・ルアクをオーダーした。
後からわかったけど、日本で飲むと一杯あたり数千円するらしい。
さらにその後わかったけど、養殖物のコピ・ルアクはあまり美味しくないらしい(笑)
ここで売られていたコピ・ルアクがどの程度のクオリティなのかはわからないけど、僕の印象としては普通のコーヒーと較べて酸味と透明感があるような味だった。しらんけど。
試飲コーナを後にして売店に到着すると・・・帳場でネコが寝ていた。
バリ島に来てネコを見るのはこれが初めてだ。
人間が忙しく働いていてもお構いなし。手伝っているのか邪魔しているのか。
あぁっ!寝てる場合やないで、仕事せなあかん!!
はて、わたいの仕事ってなんでしたっけ?
買い物を済ませたら、コーヒー農園を出てキンタマーニへ(Wikipedia)と向かう。標高約1,500mに位置するキンタマーニへと続く道は、そこかしこで道路工事が行われており(乾季に工事が集中するようだ)、往来するトラックや車が未舗装の砂を激しく巻き上げてフロントガラスの視界を黄色く濁らせる。
やって来ましたキンタマーニ。日本人なら一度はツッコミたくなる地名ではある。
ドライバー氏は車を停めるスペースを探すためにこの道路で我々を降ろし、「特に自分は観るものもないし、説明するほどの広さじゃないから車で待っている」と言い残して去って行った。
なるほど。「ザ・観光地」という風情だ。
ただし、バリ島の観光地の物売りは、他の東南アジアに比べると総じて穏やかな印象を受けた。
土産物の屋台でサングラスに並んで(たぶん)売られていた犬たち。
左手に見えるのがバトゥール山で、右手に広がるのがバトゥール湖。
バトゥール山は1917年と1926年に(2000年前後にも小規模な)噴火を起こしているようだ。手前に黒く見える溶岩の痕跡からも、なかなかお盛んな活火山だということがうかがい知れる。
キンタマーニ周辺だけでも、バトゥール山に登るほかに、風葬で知られる村を訪れたり、湖上を船に揺られて巡るなどの楽しみ方がいくつもあり、その気になれば丸一日かけても全く足りないほどの観光資源がある。
しかし我々は車から降ろされた道路でこの景色を15分ほど眺め、そそくさと次の棚田へと向かう。山と湖を眺めるだけならこの程度でじゅうぶんだし、今回はわざわざ疲れに来たわけではない。風葬の村で骸骨を見たくなったら、また今度ゆっくりと来た時にしよう。
ちなみに左手にあるトイレは、「利用料が20円ほど」とドライバー氏に聞いていたが徴収員はいなかった。トイレの利用環境は日本なら下の中といったところ。窓から見えるキンタマーニの眺めは良かったけどね。
『Bali ~ 初のバリ島。テガラランのライステラス。』へつづく>>>
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