<<<前回の投稿『Aomori 1/2 〜 初めての青森県。まずは尾去沢鉱山へ。』はこちら
尾去沢鉱山から十和田湖と奥入瀬渓流をかすめて『蔦温泉旅館(公式サイト)』へ。ココに至る道中、左右に広がる緑と青を眺めながらの数十キロのドライブで、信号に出くわすことは数えるほどしか無かった。バイクで来たかったなぁ。
宿泊客でなくともフロにメシにと立ち寄ることができるらしく(いわゆる日帰り)、山の奥にで~んと大きな駐車場と立派な湯屋があらわれた。
敷地内にバス停があり、その前には懐かしい風情の売店が。旅館の奥には湖に沿ったハイキングコースもあるようだ。
チェックインをして部屋に通されるまでの接客がとても良くて驚いた。正直言って、価格帯とか立地とか施設の佇まいからは、現代的な心地良さを感じさせてくれるホスピタリティが期待できないと想像していたのだ。素直に謝りたい。
部屋で荷解きをし終えると(と言ってもリュックが一つだけだが)、すぐに浴衣に着替えて自慢の温泉を目指した。源泉の真上に鎮座する浴場には、空気に触れていない「生の湯」が湧き出しているという。湯船の底を覗くと、アチコチからぷかぷかと空気が浮かんでくる。そろり湯に入ると僕にはちょっと熱すぎたが、何度か出入りを繰り返すうちに次第に慣れてきた。
他に客は1〜2人しかおらず、とてもリラックスしながら心ゆくまで湯を愉しんだ。
部屋に戻ってかのんびりすることもなく、少しのぼせた頭をビールで覚ますべく食堂へと急いだ。
晩ごはんは和食のコース料理。垂直に伸びた柱に刺さった川魚が登場したりと演出も趣向を凝らしていたが、肝心の料理も皿もとてもきっちりとしていて好感が持てた。料理もさることながら、ホールを仕切るオバサン達の客あしらいがとても気持ちよくて、ついつい酒やツマミを頼みすぎてしまったほど。
腹もいっぱいで酒にもすっかり酔ってしまった。
携帯の電波が届かないこともあり、22時前にはぐっすりと寝入ってしまった。
朝ご飯。山の滋養がたっぷり。あ、海の恵みもたっぷりと。
普段は朝ご飯を食べないのに、ご飯を3杯も食べてしまった。
食べ終えてから今日の予定を考える。奥入瀬渓流と十和田湖をゆったりと眺めようかと思ったが、昨日ちょいと眺めたせいであまりテンションが上がらない。ロープウェイで八甲田山に登ろうとも思ったが、宿のスタッフに今日は視界が悪いと教えてもらった。ネットでライブカメラを見てみたら、実際に霧で真っ白だったが、18時のフライトまで時間はたっぷりとある。
ということで、全く予定をしていなかったが八甲田山の麓にある田代平湿原へと向かうことにした。ここは青森県の天然記念物に指定されている(Wikipedia)。
田代平湿原の駐車場(と言ってもただの空き地のようなもの)の向かいに温泉が。ひとっ風呂浴びたい気持ちが湧き上がるもグッとガマン。さっき蔦温泉旅館で朝風呂を浴びたばかりだ。
そう、ここは湿原の入り口だが八甲田山の麓でもある。
どういう成り行きでこうなったのかはサッパリわからない。
分け入ってすぐに、不思議な緑色のレイヤーが透けて見える池だか沼だかが迎えてくれる。
いざ、湿原へ。
大平原に興奮して写真を撮りまくっている僕の背後からガイドに先導された4人組が近づき、早足で草花の説明をしながら(聞きながら)あっという間に小さくなった。
霧に覆われた八甲田山までこの道は続・・・かない。
7月というのにススキが揺れていた。
湿原の内側をぐるりと円状に囲むフォトジェニックな一本道も、この先を少し歩けば数十分前に通った道へと結ぶ。「次はどこへ行こうか」とぼんやり考えていたら、いつの間に草木が身体に密着するほどに茂っていた。そして「ぶーんぶーんぶーん」から「ぶんぶんぶんぶん」、そして「ぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶ」と蜂が飛ぶ音が段々と大きく聞こえてきた。
「やばい!蜂に囲まれた!半袖半ズボンなのに!!」と焦ったが、無闇に騒ぐと彼らを刺激して襲われるかもしれない。どうしたものかと青ざめていたが、良く見ると彼らは一心不乱に花の蜜を集めていたので、そろりそろりと静かにその場を立ち去った。
「ふう。」と一息ついてクルマに戻る途中に何名かとすれ違ったが、皆さんしっかりと腕も足も首もガードした服装をしていた。
自然を舐めてはイカン。
空港へ向かう途中で、昨日少しだけ立ち寄った奥入瀬渓流へ。
まずは情報収集をと奥入瀬渓流館(公式サイト)にクルマを停めたところで大粒の雨と雷が。縁が無かったかと諦めて十和田湖に移動したが、雲井の滝に近くと少し雨が小降りになった。
植物の生命力に圧倒される。
十和田湖の子ノ口でクルマを停めて遊覧船をぼーっと眺める。
遊覧船に乗ってみたかったが、時刻表を調べると飛行機の時間に間に合わない。残念だが諦める。行き当たりばったりの旅では、諦めることが多い。
子ノ口から南端へ移動。こちらはビジターセンターや乙女の像などがあり、十和田湖観光の中心となっているようなエリアだ。
十和田のご当地グルメ「バラ焼き(Wikipedia)」。このビジュアルに甘辛いタレが絡んでいるところを想像していただくと、脳内で再構築されたその味は現実とほぼ相違はないだろう。
スワンボートにも手こぎボートにも乗っている人は誰もいない。あるいはこの状態で観光客を楽しませるためのインスタレーションなのかもしれない。
背後に観光客相手の飲食店が軒を連ねているが、十和田湖そのものは凛としたただならぬ雰囲気を漂わせている。荘厳とも神秘的ともちょっと違うような、何と言うか軽んじてはならない存在のような。
また雨が降り始めたので、急いでクルマに戻って空港へと出発する。
山を越えるために、雲の中に入っていく。
峠道はずっとこんな感じで霧が立ち込めていた。
視界の悪い中を慎重に運転して、ようやく下山したところに『道の駅 こさか七滝(Wikipedia)』が現れたので一休み。地元の人がつくった蜂蜜をいくつか土産に買った。
駐車場の目の前には、日本の滝百選のひとつ『七滝(Wikipedia)』が轟々と川に注いでいた。
思い返せば今日は朝からずっと水と植物を観ていた。
尾去沢鉱山から十和田湖と奥入瀬渓流をかすめて『蔦温泉旅館(公式サイト)』へ。ココに至る道中、左右に広がる緑と青を眺めながらの数十キロのドライブで、信号に出くわすことは数えるほどしか無かった。バイクで来たかったなぁ。
宿泊客でなくともフロにメシにと立ち寄ることができるらしく(いわゆる日帰り)、山の奥にで~んと大きな駐車場と立派な湯屋があらわれた。
敷地内にバス停があり、その前には懐かしい風情の売店が。旅館の奥には湖に沿ったハイキングコースもあるようだ。
チェックインをして部屋に通されるまでの接客がとても良くて驚いた。正直言って、価格帯とか立地とか施設の佇まいからは、現代的な心地良さを感じさせてくれるホスピタリティが期待できないと想像していたのだ。素直に謝りたい。
部屋で荷解きをし終えると(と言ってもリュックが一つだけだが)、すぐに浴衣に着替えて自慢の温泉を目指した。源泉の真上に鎮座する浴場には、空気に触れていない「生の湯」が湧き出しているという。湯船の底を覗くと、アチコチからぷかぷかと空気が浮かんでくる。そろり湯に入ると僕にはちょっと熱すぎたが、何度か出入りを繰り返すうちに次第に慣れてきた。
他に客は1〜2人しかおらず、とてもリラックスしながら心ゆくまで湯を愉しんだ。
部屋に戻ってかのんびりすることもなく、少しのぼせた頭をビールで覚ますべく食堂へと急いだ。
晩ごはんは和食のコース料理。垂直に伸びた柱に刺さった川魚が登場したりと演出も趣向を凝らしていたが、肝心の料理も皿もとてもきっちりとしていて好感が持てた。料理もさることながら、ホールを仕切るオバサン達の客あしらいがとても気持ちよくて、ついつい酒やツマミを頼みすぎてしまったほど。
腹もいっぱいで酒にもすっかり酔ってしまった。
携帯の電波が届かないこともあり、22時前にはぐっすりと寝入ってしまった。
朝ご飯。山の滋養がたっぷり。あ、海の恵みもたっぷりと。
普段は朝ご飯を食べないのに、ご飯を3杯も食べてしまった。
食べ終えてから今日の予定を考える。奥入瀬渓流と十和田湖をゆったりと眺めようかと思ったが、昨日ちょいと眺めたせいであまりテンションが上がらない。ロープウェイで八甲田山に登ろうとも思ったが、宿のスタッフに今日は視界が悪いと教えてもらった。ネットでライブカメラを見てみたら、実際に霧で真っ白だったが、18時のフライトまで時間はたっぷりとある。
ということで、全く予定をしていなかったが八甲田山の麓にある田代平湿原へと向かうことにした。ここは青森県の天然記念物に指定されている(Wikipedia)。
田代平湿原の駐車場(と言ってもただの空き地のようなもの)の向かいに温泉が。ひとっ風呂浴びたい気持ちが湧き上がるもグッとガマン。さっき蔦温泉旅館で朝風呂を浴びたばかりだ。
そう、ここは湿原の入り口だが八甲田山の麓でもある。
どういう成り行きでこうなったのかはサッパリわからない。
分け入ってすぐに、不思議な緑色のレイヤーが透けて見える池だか沼だかが迎えてくれる。
いざ、湿原へ。
大平原に興奮して写真を撮りまくっている僕の背後からガイドに先導された4人組が近づき、早足で草花の説明をしながら(聞きながら)あっという間に小さくなった。
霧に覆われた八甲田山までこの道は続・・・かない。
7月というのにススキが揺れていた。
湿原の内側をぐるりと円状に囲むフォトジェニックな一本道も、この先を少し歩けば数十分前に通った道へと結ぶ。「次はどこへ行こうか」とぼんやり考えていたら、いつの間に草木が身体に密着するほどに茂っていた。そして「ぶーんぶーんぶーん」から「ぶんぶんぶんぶん」、そして「ぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶ」と蜂が飛ぶ音が段々と大きく聞こえてきた。
「やばい!蜂に囲まれた!半袖半ズボンなのに!!」と焦ったが、無闇に騒ぐと彼らを刺激して襲われるかもしれない。どうしたものかと青ざめていたが、良く見ると彼らは一心不乱に花の蜜を集めていたので、そろりそろりと静かにその場を立ち去った。
「ふう。」と一息ついてクルマに戻る途中に何名かとすれ違ったが、皆さんしっかりと腕も足も首もガードした服装をしていた。
自然を舐めてはイカン。
空港へ向かう途中で、昨日少しだけ立ち寄った奥入瀬渓流へ。
まずは情報収集をと奥入瀬渓流館(公式サイト)にクルマを停めたところで大粒の雨と雷が。縁が無かったかと諦めて十和田湖に移動したが、雲井の滝に近くと少し雨が小降りになった。
植物の生命力に圧倒される。
十和田湖の子ノ口でクルマを停めて遊覧船をぼーっと眺める。
遊覧船に乗ってみたかったが、時刻表を調べると飛行機の時間に間に合わない。残念だが諦める。行き当たりばったりの旅では、諦めることが多い。
子ノ口から南端へ移動。こちらはビジターセンターや乙女の像などがあり、十和田湖観光の中心となっているようなエリアだ。
十和田のご当地グルメ「バラ焼き(Wikipedia)」。このビジュアルに甘辛いタレが絡んでいるところを想像していただくと、脳内で再構築されたその味は現実とほぼ相違はないだろう。
スワンボートにも手こぎボートにも乗っている人は誰もいない。あるいはこの状態で観光客を楽しませるためのインスタレーションなのかもしれない。
背後に観光客相手の飲食店が軒を連ねているが、十和田湖そのものは凛としたただならぬ雰囲気を漂わせている。荘厳とも神秘的ともちょっと違うような、何と言うか軽んじてはならない存在のような。
また雨が降り始めたので、急いでクルマに戻って空港へと出発する。
山を越えるために、雲の中に入っていく。
峠道はずっとこんな感じで霧が立ち込めていた。
視界の悪い中を慎重に運転して、ようやく下山したところに『道の駅 こさか七滝(Wikipedia)』が現れたので一休み。地元の人がつくった蜂蜜をいくつか土産に買った。
駐車場の目の前には、日本の滝百選のひとつ『七滝(Wikipedia)』が轟々と川に注いでいた。
思い返せば今日は朝からずっと水と植物を観ていた。