<<<前回の投稿『Okinawa 1/4 ~ 那覇空港からホテルへ。』はこちら
ホテルに着くまでは、サウナに入ってからオイルマッサージを受け、プールサイドで本を読みながらビールを飲んでリラックスしよう・・・と考えていたが、部屋に入って荷解きをしながら「せっかくカメラを持って来たのに写真散歩をしなきゃ損だ」という気分になってしまった。これも貧乏性の症状なのかねぇ。
時刻はまだ14時過ぎ。20時に予約した晩飯までは時間があるし、妻はひとりでおもろまち駅にあるDFSに行ってしまった。今から1~2時間ほど散歩してからホテルに戻ってサウナとマッサージを受けても、まだ晩飯には間に合いそうだ。
というワケで一通りのカメラを持って国際通りを目指して歩き始めた。
「良い味を出している看板を採集する」という視点で散歩をしても、けっこう楽しめるんです沖縄は。
完全に弛緩して昼寝をしているネコ。
この日の気温は23度あって、このグレーのボックスの上はさらに暖かかったかもしれない。韓国語らしき言葉を話す女の子ツーリスト二人組が、恐る恐るネコの手の先をちょんと触っても、目を少し開けて「にゃあ」と言っただけでまたすぐに眠ってしまった。
この写真はDP2Merrillで撮ったので、他の写真よりサイズを大きめにしてアップしています。
普段このカメラでは、その超絶解像度を味わうために風景ばかりを撮っているけど、こうして街角で使うっても立体感と質感が・・・はい、もうヤメます。
牧志公設市場へ。
国内のどこの観光地もそうだが、沖縄も来るたびに外国人観光客が増えている気がする。
5名ほどのグループの男女が、1階の鮮魚店で青い魚を捌いてもらっていた。2階に持って上がって食べるのだろうか。
ハリセンボンも食べるのね。
公設市場を後にして、さらに商店街を奥に入る。そう言えば今までは、牧志公設市場まで来たら昼飯をサッと食べるだけで、すぐに国際通りへと戻っていた。
初めて歩く通りに入ってすぐに、沖縄関連の本を中心に集めた小洒落た古本屋を見つけた。何冊かを手にとってパラパラと眺めてから、雰囲気の良い写真で構成された沖縄のガイドブックを1冊買った。
店を出たところでググったところ、首都圏の書店に勤めていた女性が数年前に那覇へ移住してこの古本屋をオープンさせたらしい。
そうこうしているうちに、地面に雨が激しく叩きつけられる音が、横からも斜め上からも天井からも聞こえてきた。土砂降りの見本のような雨だ。
「商店街のアーケードに救われたな」としばし安堵。もちろん豪雨の中を泳いでホテルへ帰る気にもならず。iPhoneのアプリでチェックすると、あと30分後には雨が上がりそうなので、さらに商店街の奥へ奥へと進むことにした。
さらに商店街を100メートルも進むと、観光地特有の人工的な喧騒は徐々に鳴りを潜めて、通りが地元の人々の生活圏らしき表情を見せ始めた。というか、寂れてるな~という感じなんだけど。さらに商店街の途中でまた別の商店街が始まるなど、ちょっとしたダンジョンっぽくもある。Google Mapsを見たところ、牧志公設市場の裏側には大きく分けて3本の商店街が交錯しているようだ。
シャッターが降りた店もチラホラと存在していて、県庁所在地の中心といえど衰退基調であることは明らかだったが、古くからある個人商店に並んで(荒々しい手描きの看板で安値を謳った)ゲストハウスが何軒か営業していた。
後日録画していた『ブラタモリ』の那覇特集を観たら、ちょうどこの辺りの商店街を一行が歩いていた。地下に暗渠があったんだね~。(くわしくは公式サイトをご覧ください)
商店街が終わる辺り(国際通りと反対側だ)まで来ると、道幅も狭くなってディープな店が増えてくる。店先に置かれた椅子に座った地元のお婆さん達が、楽しそうに井戸端会議をしている様子もあちこちで見られた。
アーケードを出てしまったところで(予報通りに)雨が上がり始めたので、歩いて来た道を戻っていく。
西側から牧志公設市場の近くまで戻ると、賑やかに談笑する声が聞こえてきた。声のする方に移動すると、昼間っから大勢の老若男女がひしめく立ち飲み屋が何軒かあり、ちょっと見た感じでは、地元の人もツーリストもいたようだ。今度時間があったらココにも来てみたい。
鮮魚店の近くで何かを待っているネコ。
ここでアテのない散策を切り上げてタクシーでホテルに戻り、予定通りサウナとマッサージを堪能し終えたところで晩ごはんへと出動する時間になった。
今回の旅の大きな目的が、ナハテラスに滞在することと、この店で2年ぶりの晩ごはんを食べることだった。
いや、今回だけではない。2~3年前にはマイル修行のために1年半の間に8回ほど那覇に来たのだが、それらの滞在では予約が取れなかった一晩を除いて、全てこの店で晩ごはんをいただいている。
以前の予約を取れなかったトラウマから、今回も1週間近く前から予約の電話を入れた。しかしいつの間にかコース料理オンリーのシステムに変わっていた。
僕は人に何かを決められることが苦手なタチで、コース料理しか選べない飲食店を自ら選ぶことはない。
だから今回のシステム変更は非常に残念だったし、予約を入れるかどうか非常に悩んだ。だがもしこの先もコース料理しか出さないのであれば「店主と会えるのもこれが最後かもしれない」と思い、気乗りしないまま予約をすることにした。
予約した時間より少し早く到着。席について上着を脱ぐと、中庭から何やら視線を感じる。あぁ、すっかり大きくなったじゃないか。2年前はまだ産まれたばかりの仔ネコだったのにね〜。
さてと、まずはオリオンの生ビールを注文する。コース料理では石垣牛を含む琉球の海と山と陸の食材を使った繊細な料理が次々に出てきたけれど、ここではその一部をご紹介します。
ラフテーの上に乗っているのはオオタニワタリという植物。店の玄関で鉢植えされていたものを手折って使っているそうだ。
店主になぜコース料理だけにしたのかを尋ねると、高齢の女将さんがひとりで厨房を切り盛りしなくちゃいけなくなったからだとか。募集をしても腕の良い料理人が集まらないらしく。なるほど、決して店が繁盛しすぎて手抜きをしているわけじゃないようだ。邪推して申し訳なかった。
コースの後半に出てきたゴーヤーチャンプル。このゴーヤーはかなり苦味が強かったけど、小鉢の量だと程よいアクセントといった感じだし泡盛にも良く合う。さすがです。
コースの終盤に出てきた苦菜のサラダ。待ってました。これはいつも始めにオーダーする逸品で、コースに入っていなかったら無理を言って追加で頼もうと思っていたのだ。奥に見えるのが石垣牛。7,000円のコースで品数は多かったけど、最後のイカスミジューシーを食べてもまだ胃に余裕があったので、軽い小鉢を追加でいくつかオーダーした。どれも相変わらず隅々まで気配りが行き届いた素晴らしい料理で、今夜も「沖縄料理ってこんなに美味しかったのか!」とMUP(眼から鱗ポロリ)。
(文字通り)食わず嫌いのコース料理だったが、結果的にはコース料理を選んでよかったと思えた。いつも気に入った店で同じメニューを同じ順番で頼んでしまう自分にとっては、コース料理でないと巡り会えない料理に出会えたからだ。
(何だか世間ではアタリマエのことをしたり顔で語っているが。。)
そうでなくとも加齢による前頭葉の活動減退で頑固になりがちな年頃でもあるし、これからも自分で決めたルールをどんどんと壊してコース料理も明るく頼むことにしよう。スキージャンプの葛西紀明選手も、普段使わない筋肉を鍛えるためにビーチバレーやスラックラインを積極的に取り入れていると「プロフェッショナルの流儀」で語っていたしね。
泡盛の酔いも回ってきたところで、懐かしい面々が集まって来た。
手前の三毛猫はエリカちゃん。一見他のネコときょうだいのように見えるが、彼女は2年前に姉が仔ネコ達の育児を放棄をして蒸発した(最近言わないね)代わりに仔ネコたちを育てたらしい。泣けるねぇ。
2年も経つけどいまだに(大きな)仔ネコたちは、ミルクの出ないエリカちゃんのオッパイをおねだりしているとか。
背中も目もがまあるいね。
ごちそうさま。もうお腹いっぱいだ。
これからもコース料理しか出さないとしても、また来ますよ。
はち切れそうな腹をよいしょとタクシーに乗せてホテルに戻り、1階のラウンジでピアノ&ボーカルとウッドベースのジャズユニットの生演奏を聞きながら食後のお茶を飲んだ。演奏していたのは2年前と同じ二人だ。いつもならまだまだウィスキーを飲むんだけど、明日はレンタカーを駆って動きまわらねばならない。
23時にはベッドに潜り込んで、数秒で眠りに落ちた。
>>> 『Okinawa 3/4 ~ レンタカーを借りて『やちむんの里』へ。』とつづく
ホテルに着くまでは、サウナに入ってからオイルマッサージを受け、プールサイドで本を読みながらビールを飲んでリラックスしよう・・・と考えていたが、部屋に入って荷解きをしながら「せっかくカメラを持って来たのに写真散歩をしなきゃ損だ」という気分になってしまった。これも貧乏性の症状なのかねぇ。
時刻はまだ14時過ぎ。20時に予約した晩飯までは時間があるし、妻はひとりでおもろまち駅にあるDFSに行ってしまった。今から1~2時間ほど散歩してからホテルに戻ってサウナとマッサージを受けても、まだ晩飯には間に合いそうだ。
というワケで一通りのカメラを持って国際通りを目指して歩き始めた。
「良い味を出している看板を採集する」という視点で散歩をしても、けっこう楽しめるんです沖縄は。
完全に弛緩して昼寝をしているネコ。
この日の気温は23度あって、このグレーのボックスの上はさらに暖かかったかもしれない。韓国語らしき言葉を話す女の子ツーリスト二人組が、恐る恐るネコの手の先をちょんと触っても、目を少し開けて「にゃあ」と言っただけでまたすぐに眠ってしまった。
この写真はDP2Merrillで撮ったので、他の写真よりサイズを大きめにしてアップしています。
普段このカメラでは、その超絶解像度を味わうために風景ばかりを撮っているけど、こうして街角で使うっても立体感と質感が・・・はい、もうヤメます。
牧志公設市場へ。
国内のどこの観光地もそうだが、沖縄も来るたびに外国人観光客が増えている気がする。
5名ほどのグループの男女が、1階の鮮魚店で青い魚を捌いてもらっていた。2階に持って上がって食べるのだろうか。
ハリセンボンも食べるのね。
公設市場を後にして、さらに商店街を奥に入る。そう言えば今までは、牧志公設市場まで来たら昼飯をサッと食べるだけで、すぐに国際通りへと戻っていた。
初めて歩く通りに入ってすぐに、沖縄関連の本を中心に集めた小洒落た古本屋を見つけた。何冊かを手にとってパラパラと眺めてから、雰囲気の良い写真で構成された沖縄のガイドブックを1冊買った。
店を出たところでググったところ、首都圏の書店に勤めていた女性が数年前に那覇へ移住してこの古本屋をオープンさせたらしい。
そうこうしているうちに、地面に雨が激しく叩きつけられる音が、横からも斜め上からも天井からも聞こえてきた。土砂降りの見本のような雨だ。
「商店街のアーケードに救われたな」としばし安堵。もちろん豪雨の中を泳いでホテルへ帰る気にもならず。iPhoneのアプリでチェックすると、あと30分後には雨が上がりそうなので、さらに商店街の奥へ奥へと進むことにした。
さらに商店街を100メートルも進むと、観光地特有の人工的な喧騒は徐々に鳴りを潜めて、通りが地元の人々の生活圏らしき表情を見せ始めた。というか、寂れてるな~という感じなんだけど。さらに商店街の途中でまた別の商店街が始まるなど、ちょっとしたダンジョンっぽくもある。Google Mapsを見たところ、牧志公設市場の裏側には大きく分けて3本の商店街が交錯しているようだ。
シャッターが降りた店もチラホラと存在していて、県庁所在地の中心といえど衰退基調であることは明らかだったが、古くからある個人商店に並んで(荒々しい手描きの看板で安値を謳った)ゲストハウスが何軒か営業していた。
後日録画していた『ブラタモリ』の那覇特集を観たら、ちょうどこの辺りの商店街を一行が歩いていた。地下に暗渠があったんだね~。(くわしくは公式サイトをご覧ください)
商店街が終わる辺り(国際通りと反対側だ)まで来ると、道幅も狭くなってディープな店が増えてくる。店先に置かれた椅子に座った地元のお婆さん達が、楽しそうに井戸端会議をしている様子もあちこちで見られた。
アーケードを出てしまったところで(予報通りに)雨が上がり始めたので、歩いて来た道を戻っていく。
西側から牧志公設市場の近くまで戻ると、賑やかに談笑する声が聞こえてきた。声のする方に移動すると、昼間っから大勢の老若男女がひしめく立ち飲み屋が何軒かあり、ちょっと見た感じでは、地元の人もツーリストもいたようだ。今度時間があったらココにも来てみたい。
鮮魚店の近くで何かを待っているネコ。
ここでアテのない散策を切り上げてタクシーでホテルに戻り、予定通りサウナとマッサージを堪能し終えたところで晩ごはんへと出動する時間になった。
今回の旅の大きな目的が、ナハテラスに滞在することと、この店で2年ぶりの晩ごはんを食べることだった。
いや、今回だけではない。2~3年前にはマイル修行のために1年半の間に8回ほど那覇に来たのだが、それらの滞在では予約が取れなかった一晩を除いて、全てこの店で晩ごはんをいただいている。
以前の予約を取れなかったトラウマから、今回も1週間近く前から予約の電話を入れた。しかしいつの間にかコース料理オンリーのシステムに変わっていた。
僕は人に何かを決められることが苦手なタチで、コース料理しか選べない飲食店を自ら選ぶことはない。
だから今回のシステム変更は非常に残念だったし、予約を入れるかどうか非常に悩んだ。だがもしこの先もコース料理しか出さないのであれば「店主と会えるのもこれが最後かもしれない」と思い、気乗りしないまま予約をすることにした。
予約した時間より少し早く到着。席について上着を脱ぐと、中庭から何やら視線を感じる。あぁ、すっかり大きくなったじゃないか。2年前はまだ産まれたばかりの仔ネコだったのにね〜。
さてと、まずはオリオンの生ビールを注文する。コース料理では石垣牛を含む琉球の海と山と陸の食材を使った繊細な料理が次々に出てきたけれど、ここではその一部をご紹介します。
ラフテーの上に乗っているのはオオタニワタリという植物。店の玄関で鉢植えされていたものを手折って使っているそうだ。
店主になぜコース料理だけにしたのかを尋ねると、高齢の女将さんがひとりで厨房を切り盛りしなくちゃいけなくなったからだとか。募集をしても腕の良い料理人が集まらないらしく。なるほど、決して店が繁盛しすぎて手抜きをしているわけじゃないようだ。邪推して申し訳なかった。
コースの後半に出てきたゴーヤーチャンプル。このゴーヤーはかなり苦味が強かったけど、小鉢の量だと程よいアクセントといった感じだし泡盛にも良く合う。さすがです。
コースの終盤に出てきた苦菜のサラダ。待ってました。これはいつも始めにオーダーする逸品で、コースに入っていなかったら無理を言って追加で頼もうと思っていたのだ。奥に見えるのが石垣牛。7,000円のコースで品数は多かったけど、最後のイカスミジューシーを食べてもまだ胃に余裕があったので、軽い小鉢を追加でいくつかオーダーした。どれも相変わらず隅々まで気配りが行き届いた素晴らしい料理で、今夜も「沖縄料理ってこんなに美味しかったのか!」とMUP(眼から鱗ポロリ)。
(文字通り)食わず嫌いのコース料理だったが、結果的にはコース料理を選んでよかったと思えた。いつも気に入った店で同じメニューを同じ順番で頼んでしまう自分にとっては、コース料理でないと巡り会えない料理に出会えたからだ。
(何だか世間ではアタリマエのことをしたり顔で語っているが。。)
そうでなくとも加齢による前頭葉の活動減退で頑固になりがちな年頃でもあるし、これからも自分で決めたルールをどんどんと壊してコース料理も明るく頼むことにしよう。スキージャンプの葛西紀明選手も、普段使わない筋肉を鍛えるためにビーチバレーやスラックラインを積極的に取り入れていると「プロフェッショナルの流儀」で語っていたしね。
泡盛の酔いも回ってきたところで、懐かしい面々が集まって来た。
手前の三毛猫はエリカちゃん。一見他のネコときょうだいのように見えるが、彼女は2年前に姉が仔ネコ達の育児を放棄をして蒸発した(最近言わないね)代わりに仔ネコたちを育てたらしい。泣けるねぇ。
2年も経つけどいまだに(大きな)仔ネコたちは、ミルクの出ないエリカちゃんのオッパイをおねだりしているとか。
背中も目もがまあるいね。
ごちそうさま。もうお腹いっぱいだ。
これからもコース料理しか出さないとしても、また来ますよ。
はち切れそうな腹をよいしょとタクシーに乗せてホテルに戻り、1階のラウンジでピアノ&ボーカルとウッドベースのジャズユニットの生演奏を聞きながら食後のお茶を飲んだ。演奏していたのは2年前と同じ二人だ。いつもならまだまだウィスキーを飲むんだけど、明日はレンタカーを駆って動きまわらねばならない。
23時にはベッドに潜り込んで、数秒で眠りに落ちた。
>>> 『Okinawa 3/4 ~ レンタカーを借りて『やちむんの里』へ。』とつづく