Ise Grand Shrine 1/2 〜 初めての伊勢神宮へ。まずは鳥羽から。

クリスマスが過ぎてから大晦日の間の2泊3日で伊勢神宮へ行って来た。
いわゆる「お伊勢参り」というやつで、僕は伊勢神宮へ行くのがこれが人生初。江戸時代に「お伊勢参り」が大変なブームになったらしいけど、450kmもの距離を徒歩オンリーで踏破せねばならない当時は、人生における一大イベントだったらしい。そりゃそうだね。
しかし現代の「お伊勢参り」は気楽なもので、前日にホテルの空室があるのをネットで確認してから急いで、しかし慎重に人混みに煩わされないような旅程を立てた。
帰省ラッシュのピークより遅く出掛けたせいもあってか、東京駅で新幹線の指定席を悠々と予約し、ホテルの最寄り駅である鳥羽駅に向かってのんびりと旅を始めることができた。

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いつものごとく出発直前まで悩んだ結果(まぁそれが楽しいんだけど)、今回持参したカメラは
・EOS 6D + SIGMA 50mmF1.4 DG HSM Art、EF100mm F2.8 マクロ IS USM
・SIGMA DP2 Merrill
・RICOH GR
という、単焦点レンズが4本でカメラが3台の布陣だが、さすがにこれはちょっとした旅にしては荷物が多すぎた。結果的にはEF100mmは必要なかったと思う。EOS 6DとGRをヤメて、代わりにEOS M3でも良かったかも知れない。
「美しい自然や景色はDP2 Merrillで撮っておきたい」と思う今日このごろだが、旅で撮るならもっと広角のDP1(または0)も欲しく・・・ならないように心にブレーキを掛けたいです。

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名古屋で新幹線を降りて近鉄特急に乗り換えるのだが、腹が減ったし急ぐ旅でもないので矢場町にある台湾料理の有名店『味仙』(食べログのページ)に立ち寄った。“台湾料理の店”と言ってもかなりオリジナリティがある味付けで、特に「台湾ラーメン」はこの味仙が開発したメイド・イン・名古屋の料理だ。この味はまだ台湾でお目にかかったことはない。
しかしこの「台湾ラーメン」は(写真の通り)かなり辛味のパンチが効いた味付けで、こういう“どんどん足すタイプ”の味が好きなタイプの人は一度食べるとヤミツキになってしまう。僕は歳とともに“足し算派”ではなくなりつつあるけど、1〜2年に1度くらいは食べたくなってしまう。今回も大好物の「ひつまぶし」はそっちのけで、スーツケースをガラガラと引きながら地下鉄を2本も乗り継いで、矢場町の『味仙』まで台湾ラーメンを食べに行った。
久しぶりに食べた感想は・・・「う~ん、こんな味だったっけな?」というのが正直なところ。年齢や習慣の変化とともに、僕の嗜好も変化しているのかもしれない。

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腹も満たして近鉄特急の切符売り場まで移動して確認したら、ビスタカーの2階席が空いていたので、すぐに乗れる特急を1本パスしてホームでぼんやりとビスタカーを待った。

DP2 Merrillで撮るには光量が足りない屋内だったがパシャ。う~ん、さすがに塗装の厚みまでわかるような解像感・・・のような気がするが、やはりこのカメラはたっぷり注ぐ自然光の下で撮りたい。

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ビスタカーの1階と2階とのわかれみち。
謎の2体のキャラクターが、オカンアート的に陳列されていた。

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窓口では「海側の席で」と指定したけど、線路は海岸線より随分と内陸側を通っていたので、海が見えたのは鳥羽の手前で少しだけ。それ以外はさして特徴の無い地方都市の街並みが延々と続いていた。

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鳥羽駅には特にイベントも起こらずに、まったりと時間を蒸発させながら16時過ぎに到着した。目的地に着いたらまずは観光案内所に入って近郊の地図を入手し、係員(たいていはおしゃべりなオバサンだ)にオススメの飲食店の情報を聞くのが我々の旅の基本だ。

しかし17時前後の鳥羽駅の近くには、さして観るべきスポットはなかった。
駅の目の前にある通りに並ぶ売店で、焼き立てのサザエや牡蠣を食べることを勧められたが、晩飯の時間も近いのでパス。
海岸線をブラブラと歩きながら、17時30分前後に付近の飲食店が営業を開始するのを待つことにした。

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散歩をしながら水平線の彼方に浮かぶ島でも撮ろうとファインダーを覗いていたら、龍宮城を模した珍妙な船が視界を横切ったのでギョッとした。舳先には黄金の浦島太郎が座っている。
あたりを見回しても通行人がほとんどおらず、なんだか急に現実感を喪失し始めた。

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まずは寿司の『太助』(食べログのページ)に向かった。(上の写真撮は関係ないです)
観光案内所で勧められた店のリストには入っていなかったが、食べログで評判が良かったことと、観光案内所のオバサンは「幅広いメニューを取り揃えている店をお勧めしています」と言っていたのだが、せっかくココまで来たら良くある居酒屋メニューより寿司を食べたくなったので第一候補にした。
開店と同時に暖簾をくぐったが、あいにく予約で満席で入れなかった。年の瀬も迫っていたし、近所の人々が忘年会を予定していたのかもしれない。

気を取り直して商店街を駅側へ戻ったところにある『天びん屋 本店(食べログのページ)』へ。ここは観光案内所で勧められたかどうかを忘れてしまったが、店構えの雰囲気で決めた。

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『天びん屋』に入ってみると思いのほか店内が広く座席も多かったが、開店から1時間も経たないうちに満席になっていた。地元の人々にも愛されているようだ。
メニューは「たこわさ」といった居酒屋の定番メニューから松阪牛まで幅広くラインナップされていたが、やはり海鮮メニューを中心にオーダーした。スタッフはいかにも「アルバイトです」といった若い女の子が多く、価格はどれもリーズナブルだったのでどうかな・・・と思っていたけど、出された料理はどれもなかなか美味しかったですよ。
写真は「あわびのバター焼き」(だったかな)。

テンポよく料理が出て来たおかげで、入店してから1時間ちょっとでお腹いっぱいになった。
店を出て予約しておいた『タラサ志摩ホテル&リゾート』(公式サイト)へ行くため、鳥羽駅前に戻ってタクシーに乗り込む。シャトルバスは18時発が最終で、2時間前に予約をせねばならないので、ホテル外で晩飯を食べるならタクシーの一択なのだ。
ちなみに鳥羽駅からホテルまでは約4,500円ほどだった。

『タラサ志摩ホテル&リゾート』は伊勢湾に突き出した海岸沿いに建てられた、その名の通りタラソテラピーを売りにしたリゾートホテルだ。
ロケーションと眺望は“リゾート”をホテル名に冠するだけあって良好であり、朝ごはんのバイキングも「ワカメのしゃぶしゃぶ」を筆頭にどれも新鮮で美味しく、朝の6時からオープンする温海水の室内プールは眺めも良くて、比重の大きな(そして温かい)海水のおかげで泳ぎながらリラックスできた。

ただし、ホテル内のレストランの価格設定が総じて高いのに(フレンチと和食ともに二人でディナーを食べてワインを1本頼めば3~5万円程度にはなるだろう)、ホテルの徒歩圏内にはコンビニも飲食店もなく、鳥羽駅からは前述の通り5千円近くのタクシー代が掛かる。コストパフォーマンスを向上させるための選択が難しいのだ。
さらにホテルにバーが無いというのも、僕にはネガティブなポイントでしかなかった。ホテルのバーでウイスキーを飲みながら、バーテンダーに地元の話を聞くのが旅の楽しみでもあるので。
もう一つ愚痴をこぼすと、サウナが14時~しかオープしないため利用できなかったのが残念だったな。

まぁタラソテラピーやエステを目当てに来る人々は、昼間にホテルを離れて観光をせずにゆったりと滞在型のステイを満喫し、夜更かしをして酒を愉しむこともなく、このホテルが設定したディナーの金額も許容範囲なのだろう。

ネガティブなことをいくつか挙げたけど、設備もスタッフの接客も気持ち良く、このホテルでの滞在は総合的には良い経験だったことを付け加えておきます。

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タクシーのドライバーによると、この時期に鳥羽の飲食店で出されるアワビはほとんどが三陸産のものらしい。
えっ!?(笑)

でも牡蠣は鳥羽で養殖されているそうで、海岸沿いには養殖業者が営む牡蠣小屋がいくつも立ち並んでいた。車で来た観光客は、ここで食べたり持ち帰ったりと牡蠣をたっぷりと楽しむそうだ。
伊勢と言えば伊勢海老を連想するが、このあたりでは志摩産のものが主流とのこと。牡蠣は『天びん屋』でフライも焼きもじゅうぶんに堪能したので、「明日は伊勢海老を絶対に食べるぞ」と心に誓う。

タクシーを降りて空を仰いだら、漆黒の夜空に無数の星が輝いていたのでハッと目が覚めた。
チェックインをして荷解きをしたらすぐに星を撮ろうとGRを持って外に出た。三脚を持って来なかったことが悔やまれたが、駐車場の石垣にGRが空を向くように置いて長時間露光撮影をしてみたら、想像以上に星が写っていた。にやり。
しかし・・・あっちでもないこっちでもないと、GRを無造作に岩の上に置いて撮っていたので、背面の液晶に何本もの傷が付いてしまった・・・。やはり保護フィルムは貼っておいた方が良いですよ。。

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夜空を撮ったらホテルに戻り「ラウンジ」と銘打たれた自販機でハイボールを買い、なんだかんだで良い気持ちに酔って爆睡した。
ここに来るまでは「5時過ぎに伊勢神宮に到着して朝日を撮る」というプランも検討してみたが、ホテルの距離とコストを考えて諦めた。
その代わりに、というわけでもないが夜明け前に目覚ましをセットし、部屋のバルコニーから水平線に昇る朝日を撮ろうと思ったけど、朝日は随分と右側から姿を現そうとしていた。
写真右下に見えるのが、温海水プール。6時のオープン時には既に誰かが泳いでいた。

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朝食前にホテルの庭から海に出て、波打ち際を散歩する。
DP2 Merrillで。

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EOS 6D + SIGMA50mm。
この明るさならMerrillよりくっきりと写せるね。

美味しい朝食をたっぷりと食べて、温海水プールでのんびりと泳ぎ、11:30発の鳥羽行のシャトルバス(無料)に乗って伊勢神宮の外宮へと向かった。

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ほどなくして伊勢市駅に到着。
伊勢神宮は外宮と内宮にわかれていて・・・といった情報はすでに様々なツアーガイドブックやブログ、そしてWikipediaに詳しく書かれているので、ここでは中途半端に言及せずに、食べたものやら感じたことをとりとめもなくメモしていきます。

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朝食の後に泳いだせいか、伊勢市駅を降りた途端に腹が減った。
外宮のすぐそばにある『浜与本店』(公式サイト)に少し並んで入店。二人で「釜揚げしらす丼」と「しらすかき揚げ丼」をオーダーしたが、どちらも素材の良さと洗練された味付けでめっぽう美味かった。
個人的には江ノ島で食べた(幾つかの)しらす丼よりも、こちらに軍配を上げたい。

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店の入り口の引き戸には、“しらす”をあしらった可愛いデザインが施されていた。粋だね。

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さて、腹ごしらえも済ませて、いよいよ初めての伊勢神宮へ。

>>>『Ise Grand Shrine 2/2 〜 初めての伊勢神宮へ。そして伊勢海老と松阪市。』へと続く