DP2 Merrill 〜 買った。やっぱ凄いわ。

DP2 Merrill(DP2M)を買った。
デジカメはすでにEOS 5D、6D、EOS M2、GRを持っているので、もう要らんと思っていたし「もう買うな」とも言われていたのだが、以前からPhotoYodobashiの記事や各所にアップされている作例を観てその解像度や表現力が気になっていた。
しかしQuattroのラインナップが拡充しつつある中で「そろそろディスコン」との噂が流れていたり、フジヤカメラで新品が47,000円(税込)にまで値下がりしていたので・・・つい。

The Tail of 'Flamme D'or' designed by Philippe Starck.
f5.0 1/125 ISO100
てことで、DP2Mのポテンシャルを確認すべく、近所を散歩しながら何枚か撮ってみた。
このカメラの凄さは既にいろんなメディアやブログで紹介されているのだが、やはりFoveonの緻密な解像度と、それがもたらす質感表現(特に金属とかガラス)のリアルさと美しさが突出しているようで、僕も街中でそんな被写体を中心に探した。

ここに掲載している写真は、RAWデータをSIGMA Photo Proで現像してJPEGで書き出したデータを、Photoshopで横幅2,400ピクセルに縮小してFlickrにアップしたものです。
画像をクリックするとFlickrにジャンプするので、さらに画像をクリックするとピクセル等倍で閲覧が可能となりますが、スマホだとちょっと閲覧がしにくいですね。

SDIM0011
f5.0 1/50 ISO200
葉っぱ一枚ずつの輪郭や、その上に乗っている水滴のエッジもくっきり。
さすがFOVEONは各色のセンサーが隙間なく並んでいるな~と感動。ローパスフィルタが必要無いのも大きな要因かも。

しかし、他の方も書かれている通り、ISO200以上だとかなりノイジーになり始めるし、現像時にシャドウ部を持ち上げると変な暴れ方をするので、現像のテクニックというか試行錯誤も必要かと。

Tokyo Skytree
f9.0 1/500 ISO100
支柱から出ている黒い鉄線もカリッカリに写っている。

DP2Mはシャッターを押してからSDカードに保存するまで10秒前後かかるので、構図や露出をばっちりと考えて決めてから、行くぞ!という感じでシャッターを押す。
ただ、カメラ内のメモリのバッファが多いのか、メモリカードに書き終える前でも連続して7枚は撮れることになっている。

Tail of 'Flamme D'or' designed by Philippe Starck.
f7.1 1/250 ISO100
数十メートル先にある屋根の上の(あの)金色オブジェの質感も、思わず「曖昧なところはありませんね」と言いたくなる。

RAW現像にはシグマの専用ソフト「SIGMA Photo Pro」が必要。Adobe系のソフトがFoveonに対応していないんです。しかも小さなカメラなのにRAWデータが50MBもあるせいで、RAW現像の重いこと・・・。Core i7 3.40GHz  メモリ16GBのWIN7デスクトップマシンでも、全ピクセルを表示するモードだと補正のたびに数秒待たされるし、JPEGに書き出すのも5~10秒かかるのよね。。

SDIM0030
f8.0 1/640 ISO100
ガラスの向こうにあるエレベータのロープも、ヒリヒリするほどビシっと写ってる。

写真散歩の楽しみは結局ビール
f5.0 1/640 ISO100
グラスの厚みの違いや、テーブルのテクスチャなど。

SDIM0026
f5.0 1/100 ISO100
あんまり拡大してテクスチャをじっくり観たい被写体ではないけど・・・
毎回「解像度ガー」とか「テクスチャの質感ヤヴァイWA~」と書くのもアレなので、この先はヤメます。

SDIM0014
f2.8 1/320 ISO200
絞り開放です。

DP2 Merrill test shoot
f5.6 1/200 ISO160
上部の白とオレンジの連なりが総武線だとわかったあなたは、かなりの外堀マニア。

DP2 Merrill test shoot
f8.0 1/800 ISO160
歪みの少ないレンズ。


SDIM0050
f8.0 1/320 ISO100
階調を表現したくなるので、つい露出をアンダー目にしてしまう。

SDIM0059
f7.1 1/200 ISO100
エレベータの中の人までくっきり写ってしまったので、男性の顔だけPhotoshopで少しボカした。

SDIM0044
f8.0 1/60 ISO100

表参道はバリエーション豊かな建物の外壁に溢れているので、広角から望遠まで色々と楽しめるね。

SDIM0065
f5.0 1/50 ISO100


拡大してみるとベースの塗料からスプレーまで、異なる成分で塗り重ねられた様子がありありと表現されている

SDIM0054
f5.6 1/40 ISO100

次は金属とガラス以外を撮りたいな。。

DP2 Merrill test shoot
f8.0 1/4 ISO100

暗いところは苦手だけど、ビルの手すりにカメラを置いてISO100でスローシャッター。

並べてみて気付いたんだけど、DP2MとGRのバッテリーが同じものだったのが嬉しいサプライズ。しかも定価はSIGMAの方がRICOHより半値近くて、SIGMAの企業姿勢に好感を持ちましたよ。

まだ100枚も撮っていないけれど、Foveonの解像感と質感の表現力は他のセンサーとは異次元だと感じましたよ。EOS M2はもとよりEOS 6Dでも遠景の樹木の葉っぱなどのディテールがぼや〜っと写ってしまって、がっかりすることが少なからずあったんだけど。
皆さんが言われるように、気軽に(そこそこ)美しく撮るのが難しいじゃじゃ馬だけど、とにかくバチッと決まった時の一枚は凄まじい・・・ような予感がするカメラです。
(まだそんな写真を撮れてないんでね)

まぁ撮るのも現像するのも手間が掛かるんだけど、フィルムカメラでじっくりと撮る気持ちで接すると、あれやこれやのストレスも少ないよね。フィルムより時間もコストもかからないし。
これからもデジタルのサブとして持ち歩きつつ、このカメラで撮って良かったな〜と思える写真が撮れたらアップしますよ。
あぁ、写真のウデが良ければなぁ。
(おとっつぁん、それは言わない約束でしょ)

>>>『DP2Merrill ~ 勝沼のワイナリー巡りをモノクロで。』はこちら