Multistrada 1100S 〜 さようなら

前回の投稿(「Touring 〜 檜原村の『たちばな家』で手打ちラーメン」)でも触れたのだが、急に思い立ってDUCATI Multistrada1100Sを売却した。

通勤などの普段使いにはKawasakiのスーパーシェルパが活躍しているのでムルティは週末専用だったが、週末に雨が降ったり電車で旅に出たり撮影散歩をしたりしていると、バイクで遠くに出掛ける機会がなかなか無い。しかし月に一度くらいは乗らないとオイルやバッテリーに良くないだろうと、特にどこかへ行きたいわけでもないにも関わらず義務的に乗るのが面倒になってしまったので。

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売却したバイク屋のお兄さんのカラーリングが偶然の一致。

そもそもこのバイクを選んだのはロングツーリングをするためで、アルプスローダー系でフルパニア、動力性能は高いのに独特過ぎるデザインのせいか手頃な値段だったので買ったのだった。
しかし点検のために訪れたディーラーで「このバイクで九州まで行っちゃって大丈夫ですかね?」と訊ねたら「1日で1,000kmとかは無理でしょうね・・・」と答えられ、別のディーラーで「10年で10万Km走れますかね?」と貴店のリピーターになるかもアピールを混ぜながら訊ねても「Ducatiオーナーは新型が出るとすぐに買い替える方が多いんですよね」とはぐらかされる始末。いや、はぐらかされるているのではなく、貧乏人扱いをされたような気分になったけどな。

いずれにしても、ディーラーが揃って長距離移動に消極的な意見を述べられるので、どうにもDUCATIで遠乗りする気が失せてしまっていた。実際に乗ってみると、エンジンには心躍らされるエモーショナルな鼓動があるし、うまく体重移動をすればひらひらと山を駆け抜けられるコーナリング性能など、イタリアで調教されたこのじゃじゃ馬は乗っていてとても楽しい。ただし「道が空いていれば」の話だけど。
貧弱な低速トルクと重いクラッチのせいで、渋滞時のストップ・アンド・ゴーや日本の法定速度で走り続けるには体力と忍耐力が必要とされる。また、常にガラガラと盛大なノイズを発生する駆動系が、「そのうち、いや突然壊れそう、今でしょ」という疑念も盛大に発生させられた。
そんなわけで、いつしかムルティは「パーティやデートを共にするのは楽しいけど、お金が掛かるし自分からいつ離れてしまうかわからないべっぴんさん」という存在になってしまった。際立った特色はないけど毎日乗っても飽きないスーパーシェルパが居ることだし、何よりカメラという新しい愛人趣味が出来てしまったゆえ固定支出を減ぜねばならぬ。

早速ネットの査定比較サイトに登録すると、その瞬間から電話とメールが殺到するお決まりの展開に。3年前は電話ばかりでウンザリしたが、今回は当方で写真を撮って詳細を書き込めるWEBフォームを用意する買取業者も登場していた。
週末に数社を集めたセリを開催しようと思っていたが、連絡があった買取業者に混じって、このバイクを購入した店からも連絡があった。ここで車検も通していたので、このバイクのコンディションを熟知しているから実車を検分する必要はないし、直近の業者オークションで同じ車種の落札金額も教えてもらいつつ、悪くない買取金額を提示してくれたので、セリは開かずにこの店に買い取ってもらうことにした。

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買取金額は税込みで35万円。
ちなみにスペックは、最終型の自分も含めて2オーナー、走行距離17,900km、別体式のETCとフルパニアを装備、ディーラーによるローダウン仕様。

バイクを売ったお金で、早速行きつけの鮨屋に行きましたよ。

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DUCATIちゃん、短い間だったけど刺激的で素敵な思い出をありがとう。
お寿司も美味しかったよ。。