Bali 10/10 ~ 初のバリ島。最終日にタナロット寺院で夕陽を。

ぐっすりと眠って目が覚めたら旅の最終日。あっという間に3日間が過ぎた。

復路のフライトGA0880便はデンパサール国際空港を24:25に発つ深夜便なので、観光をしようと思えばたっぷり一日使うこともできる。その気になれば日中はクタのビーチでこんがり焼いて、レギャンでシーフードのディナーを食べて、その後にナイトショーを観劇してから空港に行ってもフライトにはなんとか間に合う。

<<<前回の投稿『Bali ~ 初のバリ島。テガラランのライステラス。』はこちら

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しかし今回はチェックアウトを15時まで延ばしてもらえたので、ぎりぎりまでホテルに滞在することにした。そしてチェックアウト後はタナロット寺院で夕陽を見てから空港に向かうだけ。
今回はのんびりと羽根を伸ばしに来た旅だし、翌日は成田から職場に直行しなくてはならないし。

問題はホテル~タナロット寺院~空港の移動手段をどうするか?だが、バトラーのMitaさんに相談したところ、ホテルの半日ツアーとしてクルマとドライバーを手配してくれることになった。我々が空港で降車した後も、ドライバーは一時間前後の時間を掛けてホテルに戻らねばならないのに。
Mitaさんには滞在中の全てにおいて本当にお世話になった。ありがとう。

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時間に追われる予定がない上に、空港までのエクスクルーシヴな移動手段も確保されているので、ホテルの中で安心してだらだらと過ごす。
ランチビールはもちろんBINTANG。

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ミーゴレン。これも街中のレストランで食べるものと比べると、驚くほど上品な味付け。

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豆からつくられたチップス。あっさりとした中にほのかな苦味があり、それもまた旨かった。

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昨夜に続いてヴェジタリアンバーガー。

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ゆとりを持ってパッキングを終え、チェックアウトのためにレセプション棟に向かう。
ありがとうMitaさん、さようならThe Chedi Club Tanah Gajah。
(素敵なMitaさんの笑顔の写真を載せようと思ったが、一晩考えてヤメた)

ここからホテルのヴァンに乗り込み、タナロット寺院へ向かう。ウブドから空港へ行くには随分と遠回りなルートだが、すんなりと進めば4時間もかからない道程だし、フライトまであと8時間もある。
しかし、日曜日の夕刻であり、各地で凧揚げ大会が行われており、翌日が独立記念日のバリ島の一車線の道路は、ドライバー氏も想像していなかったほどに混雑していた。

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ちょっとした市街地に入るたびに渋滞は起こっていたのだが、時折「これは自然渋滞ではなく、異常な低速で走行する車両が先導しているだろう」という不自然な渋滞に出くわした。すると、数十メートル先にマフラーのサイレンサーを改造したバイクの爆音と、左右に大きく揺れる旗が見えた。「ゾク(暴走族)だ!」と連想したが、まさかバリ島にも生息しているとは。

我々のクルマの先で起こっている事態の真相は判別しかねたが、同様の爆音集団が反対車線から近づいて来た。排気量が日本のバイクより圧倒的に小さいゆえにエンジンの爆音こそ物足りないが、バイクの蛇行の仕方や旗の揺れ具合などは、まさに80年代の地方都市で見かけた暴走族そのものだった。

ドライバー氏に「あれはバリ島のHell's Angelsか?Hell's Angelsがわからない?つまりあれだ、バイクに乗った若いギャングだ」と訊ねたら、「彼らは凧揚げのチームのメンバーで、会場入りする時も退却する時もあんな風にテンションを上げているのだ」と教えてくれた。なるほど、この地の若者たちはこんな風に有り余るエネルギーを発散しているのか。どうりでバイクの集団の最後尾に、巨大な凧を荷台に載せたトラックが通り過ぎて行った。’背骨’が5メートル以上はありそうな、とても大きな凧だった。

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凧揚げ暴走族をやり過ごしてしばらく快調に走っていると、今まで以上に低速な渋滞に巻き込まれた。しかしバイクの爆音は聞こえない。自転車ほどの低速でノロノロと走っていると、前から不思議な走行車両が姿を現した。これが渋滞の主だ。
速度はすごく低いのに、国旗で過剰に装飾されたボディは小刻みに揺れている。

Decorated bicycle at Bali. バリ島のデコチャリ戦車風
戦車だ。いや、紙で成形された戦車風のボディに覆われた自転車だ。
明日は独立記念日だしな。そういうこともあるだろう。

この戦車風デコチャリを追い越した後は特に混雑することもなく、我々のヴァンはタナロット寺院まですいすいと走って行った。

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タナロット寺院の駐車場はひどく混雑していたが、ドライバー氏は慣れたもので、間もなく出発しそうな車を見つけてすぐ側に待機し、難なくクルマを停める事ができた。

駐車場から海岸へと続く道は幅も広く、両側にレストランや土産物店や、ラルフ・ローレン(と書いていた)までが立ち並ぶ活気ある商店街になっていた。
そして驚くほど中国人観光客が多い。

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まもなく海岸。日没までは1時間と少々。

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タナロット寺院・・・のことは何も調べずに来てしまった。
ただ単に、この寺院の向こうに大海原があり、そこに沈む夕陽の絶景が『地球の歩き方』に掲載されていたので、その光景が見たかっただけなのだ。

ちなみに、宮島の厳島神社の大鳥居やモン・サン・ミッシェルと同じように、潮が満ちている時は歩いて渡れないそうで。

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太陽は目の前に沈みかけているが、寺院は90度以上左手にある。
『地球の歩き方』に載っていた写真は、ここから見たものではない。とドライバー氏に相談すると、「こちらへ」という感じで言葉少なげに何かを語り、寺院とは反対側にある崖の上を目指して歩き始めた。心強い。

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崖の上へと続く坂道にも、やはり土産物店がある。

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崖の上のポニョニョンとしたカフェ。崖に沿って100m以上にわたってカフェが連なる光景に驚くが、奥に行くほどカメラを構えた観光客で席が埋まっていた。そう、奥であるほど『地球の歩き方』に掲載されていた、タナロット寺院の背後に沈む夕陽が撮りやすい角度なのだ。

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仕方なく手前のカフェで、ドライバー氏ご推薦のアヴォカドジュースを啜りながら日没を待つ。
「夕陽?見たくなったら普通の浜辺に行くよ。ここには仕事でしか来たことがないね」と彼。

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カフェからの眺め。そうそう、『地球の歩き方』に載っていた写真もこんな角度だったよ。ちょっと太陽が右にズレているけどね。
しかし・・・水平線の真上に分厚い雲がでんと居座っている。ドライバー氏が「この調子じゃあ、日没の太陽は見られないかもね」と誰もが薄々感づいていることを予言する。

周りに陣取っていた観光客の中でも、気の早い連中はこの時点で席を立って帰り始めた。

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雲の切れ目から夕陽が顔を出した。海が真っ赤に染まるような夕焼けではなかったが、やはり荘厳な眺めだった。
そしてこれ以上は太陽が沈んでも暗くなる一方だろう、と判断して我々も席を立った。
駐車所に並ぶおびただしい数のバスやクルマの数と、そこに繋がる細い道路を想像すると、日没後の大渋滞は想像に難くない。

早足で商店街を駆け抜けてクルマに戻り、空港へと急ぐ。
タナロット寺院からは無事に抜け出すことができたが、程なくして渋滞にハマってしまった。バリ島の抜け道を知り尽くしたドライバー氏が、ぐいぐいと細い道を選んで迂回するも、何度も何度も渋滞にハマる。特にクタの近辺では、空港に向かうバスも多くて全く動かないほどの渋滞だった。

ホテルからタナロット寺院までの着くまでの道すがら、ドライバー氏が空港の近くにあるシーフードレストランへの立ち寄りを熱心に推奨していたが、さすがにこの渋滞を見て大人しく空港に向かってくれた。

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タナロット寺院から1時間前後で空港に到着する予定が、2時間以上かかって空港にたどり着いた。朝起きてからほとんど座っているだけなのに、クタでハマった渋滞のせいでクタクタだ。(しーん)

フライトの2時間以上前にチェックインが始まったが、ANAのSFCカードの恩恵で利用できるガルーダ・インドネシア航空のラウンジが(リニューアルオープン予定日を大幅に過ぎているのに)まだ工事中で、しかも優先搭乗も現地スタッフから断られた。
まぁ、普段良い気分にさせてくれているANAのサーヴィスが素晴らしすぎるのだろう。

搭乗してすぐにエコノミークラスのシートをリクライニングさせないまま爆睡してしまい、そのまま成田に着陸するまでほとんど目を覚まさずに寝ていたら、見事に首を寝違えた。

定刻より少し早く成田空港に到着。すでにバリ島の余韻など微塵もなく吹き飛んでいた。
事務所へ直行する前に、空港内のシャワールーム(公式サイト)でリフレッシュ。ここはいつも混んでいて利用を断念するのだが、この日は待ち時間が10分だけだったし、20時間近くシャワーを浴びていないので、京成スカイライナーを一本ずらして予約した。初めて利用したけど、なかなか広くて清潔なスペースだったよ。(アメニティは一通り揃っていたけど、髭剃りはなかったのでご注意あれ)

そして・・・バリ島では4日間で1,500枚以上の(50GB近くの!)写真を撮ってしまい、現像するのに3週間以上、このブログを書き終えるのに1ヶ月以上掛かったけど、帰国便で寝違えた首が痛くていまだに接骨院に通っている。

機内で寝るならネックピローを持参すべきだな、と痛感した旅だった。

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