α7ii 〜 MC-11のデキが良いのでEOS 6Dを売却した。そしてZeissのMakroPlanarふたたび。

レンズ沼にズブリと足を入れたまま帰らぬ人となったオッサンが熱にうなされて天井を見たまま小声で呟きがちな「そろそろ一生もののレンズが欲しい」を本当に呟いてしまったのが以前に投稿した『α7iiとSUMMILUX 50mm 2nd 〜 EOS M3から買い換えた』だったんですけども、α7ii+ライカMマウントレンズという体積の小さな組み合わせは散歩に旅行にと重宝していて、一眼レフのEOS 6Dを持ち出す機会がすっかり減っていた。


一眼レフの中ではかなり小型な6Dだけど、α7iiに比べるとさすがにデカい。
この大きさもさることながら、CP+2016で衝撃的なデビューを果たしたSIGMAのマウントコンバーター『MC-11(公式サイト)』が「SIGMAのレンズと他社製でもMFレンズであれば、かなり実用的に使える」ということが6Dを持ち出さなくなった理由のひとつでもあった。

ちなみに僕の手持ちのCANON製のEFレンズは、EF35mm F2 IS USM、EF24-70mm F4L IS USM、EF100mm F2.8 マクロ USMの3本。MC-11を介すとEF100mm F2.8 マクロ USMだけはAFが迷いすぎて実用に耐えられなかったけど、他の2本はちょっと遅いながらもAFはちゃんと作動していた。
ただ、レンズ側のISをONにするとボディ側の手ブレ補正をOFFにできなず、いちいち手ブレ補正の焦点距離を最小にして影響を回避する・・・という作業が面倒ではあったけど。

となると、 EF100mm F2.8 マクロ USM以外のレンズはなんとかα7iiで使えてしまうわけで、日頃から100mmの出番があまりなかった僕のライフスタイルにはこのレンズは必要ないんじゃないかと。おっと、そしたらEOS 6Dも必要ないんじゃないの、ということになりまして。

そう考えるぐらいにα7iiも良くできたボディなんですよね。僕の使い方程度では。
6Dと比較した時のメリットとデメリットは・・・の前に、
α7ii+MC-11+SIGMA 150-600mm F5-6.3 DG OS HSMで撮影した画像を。
(比較として『SIGMA 150-600mm F5-6.3 DG OS HSM | Contemporary ~ EOS 6D用に買ってみた』もどうぞ。撮影場所はどちらも井の頭自然文化園です)

DSC01650
F7.1 324.0 mm  1/400  ISO800

小さなα7iiに付けるとデカすぎるレンズなので、縦グリも買ったらかなり安定して使えるようになった。縦グリの純正品は新品の価格が高すぎるけど、運良くフジヤカメラで中古をゲット。

DSC01632
F7.1 347.0 mm  1/400  ISO400

AFも想像以上にキビキビと動くし、AF-Cも作動する。大きなレンズとレンズ側の手ぶれ補正を動かしているせいか、大動脈から流血しているような勢いでバッテリーが減っていく。でも縦グリにバッテリーが2つ入っているので安心感はある。

DSC01672
F5.0 165.0 mm  1/200  ISO1600

DMFでピントを追い込めるので、激しく動いていなければピントの歩留まりは6Dより上がった気がする。

さてここで、6Dと比較した時のメリットを。(あくまで個人の感想です)
【メリット】
小さいボディ。でも剛性感はしっかり。
ボディ内手ぶれ補正とEVFの拡大表示で、MFレンズの使い勝手が抜群に良い。
6Dではピントピークを確認しやすいフォーカシングスクリーンに交換していたけど、ピクセル等倍で見るとやっぱフォーカスが甘かったり、(特に)歩きながらサッと構えて撮った写真は手ブレしていることも多かった。しかしMC-11を介すことで、手ぶれ補正を内蔵していないEFマウントのレンズ(僕の好きなレンズに多い)にも手ぶれ補正の恩恵が受けられる。
また、たいていのMFレンズは同程度のスペックのAFレンズより小さいので、ボディの小ささとあいまって旅や散歩に持ち出す機会が増えた。
僕にとっては、上記2点がとても重要なポイントだった。

撮影画像がシミュレーションできるEVF。この設定で撮ったらどんな画像になるか?がリアルタイムでEVFに映し出されているので、シャッターを切った後に背面モニタをチェックしてがっかりすることがない。主に露出とホワイトバランスの話ですけど。
背面液晶画面がバリアングル。EOS M3でも重宝していたけど、低いアングルや、飲食店で料理を俯瞰気味で撮る際に便利。
・AFレンズ使用時でも、合焦後にマニュアルでピントリングを回す(DMF)と自動的に拡大表示されてピントを追い込むのが楽ちん。(対象レンズのみ)
顔認識やスマイルシャッター、ロックオンなど多彩なAFの機能。MC-11を介しても対象レンズなら問題なく使える。
動画録画中も滑らかにAFが作動する。6DではAFボタンを押すとフォーカスがガクガクっと動くので、実質的には一度決めたフォーカス後はMFで、しかも小さな背面液晶を確認しながら何とか合わせるしか無かったんですよね。(こういう苦労もありました『EOS 6D ~ 三脚ねじ穴を使用したNEXUS7の外部モニタ化』)
そして手ぶれ補正も拡大表示も使えるので、ライカレンズでもキレイに動画を撮影できるのも面白い。
意外と使えるパノラマ撮影機能。他に様々なアプリもDLできるなど、こりゃもうレンズが付けられるコンピュータ(スマホ?)ですわ。というぐらいの先進性で、CANONのラインナップより今後の進化が期待ができそう。

とまあ色々書きましたけど、とにかくMFレンズの撮影が簡単で楽しいんですよ。
そんなわけで、描写はとても好きだったけど6Dでは使いにくくて半年前に手放してしまったCarl Zeiss MAKRO-PLANAR T*2/50mm ZEの中古を再び買った。半年で取り戻すなら売らなきゃ良かった・・・と後悔せずに、α7iiのお陰でまた再会出来たことを喜ぼう。

そして買ったその足でロマンスカーに乗って江ノ島へ行って来た。

DSC01843
F2.8 1/60  ISO500
Carl Zeiss MAKRO-PLANAR T*2/50mm ZEを買い直して初めて撮ったのがこのラーメン。

DSC01849
F2.8 1/2000  ISO100
コレ以降の写真は、PhotoshopのRAW現像で歪曲と色収差を補正して、周辺減光はそのまま。
6Dの時には気にならなかったけど、このレンズはかなり盛大に(緑も紫も)色収差が出ていた。α7iiでピントをバッチリと決められるようになったからかな・・・?

DSC01854
F2.2 1/6400  ISO100

DSC01871
F2.8  1/6400  ISO100

DSC01874
F2.8  1/2500  ISO100

DSC01881
F2.0  1/1250  ISO100

DSC01885
F2.0 1/250  ISO100

DSC01883
F2.0  1/800  ISO100

続いて6Dと比較した時のデメリットを。(あくまで個人の感想です)
【デメリット】
バッテリーが早く減る。ま〜これはバッテリーがボディサイズの制限で小さくなっているし、常時EVFが稼働しているからしょうがない。でもMFで撮影してこまめに電源をOFFにしていれば丸一日(100枚以上)撮っていても持つので、僕のスタイルだと大した問題ではない。移動中もスマホ用のモバイルバッテリーからUSB経由で充電できるし。
問題はですね、別売のバッテリーが高過ぎることなんですよ。SONYは絶対これで儲けようとしてるでしょ。プリンタのインクみたいに。DP2Merrillに初めからバッテリーを2個付けてくれるSIGMAさんの姿勢を見習って欲しいですわ。
アクセサリーが高い。バッテリーだけでなく、フラッシュも縦グリも高い。いや、アクセサリーだけでなく、純正レンズも性能の割に高い。
画質(トーン)。これは好みの問題も多分にありますけど、Canonに較べるとSONYの絵は彩度がやたら高くて不自然に見える(特に緑色)。家電量販店のTV売り場でBRAVIAシリーズを観て「やたらギラギラした絵作りだな」と思っていたんだけど、いつからSONYはこんな濃い味付けをするようになったんですかね。昔はSONYと言えばプロ用モニタのリファレンスと位置づけられる、音も絵も自然というかあっさりしたチューニングだったはずだが。僕は基本的にRAW現像しかしないので、色味のことは何とかなるんですけど。
高感度ノイズとダイナミックレンジ。高感度ノイズの少なさは6Dの圧勝でしょう。α7iiではISOの上限を1600に設定している(6Dでは3200だった)。あと、明るい場面ではハイライト側が飽和しやすくてベタッとした塗り絵状になりがち。これらはAPS-CのEOS M3でも感じてたことなんだけど、フルサイズでこのクオリティ(もちろんM3よりは随分とマシだけど)はちょっと残念だな。

でも・・・僕にとってはデメリットよりもメリットの方が大きかったし、このままでは6Dを持ち出す機会が減る一方だと判断したので、6DとCANON製レンズを値段が付くうちに全て売り払ってα7に一本化しましたよ。さらばCANON。
素早く動き回る被写体とか、ターゲットが現れるまでファインダーを覗いたままずーっと待ち続けるようなスタイル(野鳥とか)だと、まだ一眼レフにアドバンテージがあるんでしょうけどね。

ということで、レンズ交換式カメラはα7iiだけになりました。でもレンズはSIGMAを中心としたEFマウントと、ライカMマウント、そしてFEマウントと、シチュエーションに応じて色々と愉しめます。

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F2.8  1/200  ISO100

江ノ島のネコ。この写真以降は、歪曲と色収差に加えて周辺減光も補正しています。
ライカのレンズを使ってわかったことは・・・僕はやはりツァイスのレンズが好きなんだなぁということ。でも簡単にはライカのレンズは売らないぞぉ。。(一生ものだから)

DSC02086
F5.6  1/500  ISO100

DSC02096
F5.0  1/60  ISO800

DSC02101
F6.3  1/400  ISO100
正直言うと6Dを手放すのは寂しかったが、2台のボディを家に置いておくスペースもないし(GRもDP2Merrillもあるし・・・)、フラッシュなんかのアクセサリーをそれぞれのボディで揃えていくのも非効率だし、なんと言っても趣味でやっているので「絶対に撮り逃してはならぬ」というシチュエーションがあるわけでもないので。
α7iiの画質に完全に満足しているわけではないけれど、これからまた良いセンサーを積んだα7シリーズが出たらその時にまた考えれば良いかな〜というぐらいのテンションでデジカメとは付き合って行こうかなと。だって毎年より高性能なボディが出て来てキリがないのでね。

でもこの先、また何が起こるかわからないので、MC-11で使えるEFマウントのレンズは温存したり追加したりするつもりではあります。

いやしかし、この2年で随分とカメラを買ったり売ったりしたもんだ。
コレと決めたものを、永く愛し続けられる人間になりたいです。