Ise Grand Shrine 2/2 〜 初めての伊勢神宮へ。そして伊勢海老と松阪市。

<<<前回の投稿『Ise Grand Shrine 1/2 〜 初めての伊勢神宮へ。まずは鳥羽から。』はこちら

まずは伊勢神宮の外宮へお参りをしに行った。
敷地は広大でゆったりとしており、なるほどこれが神様のいらっしゃるところか、と大した知識もないのに腑に落ちてしまう。遷宮を終えて2年ほど経過しているが、新たに建立された建物は想像していたよりも、シンプルというか素朴な外観だった。(公式サイトに外観写真が掲載されている

30代の頃は自宅近くの穴八幡宮を除いては(一陽来復だけは毎年授かっていた)全くと言って良いほど神社に関心が無かったのだが、40代の本厄の年にあまり良くないことが立て続けに起こったのを機に、赤坂の氷川神社へ厄払いをしてもらいに行った辺りから、少しずつ神社へと足を運ぶようになった。
別に神道に肩入れし始めたわけではないのだけど、お参りをするとなんとなく心身がさっぱりと清められるような気がするので。これも日本人のDNAの仕業ですかね。

外宮にあるいくつかの社をのんびりと参ってから、バスに20分ほど揺られて内宮へ向かった。

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内宮の手前から道路が混み始めたが、Google Mapsで確認をしたらしばらく渋滞が酷そうなので猿田彦神社の前でバスを降り、内宮に通ずる『おはらい町』(Wikipedia)を散策することにした。

『おはらい町』は建物や街並みは旧いものを再現しているけど、中の店はなんだか現代的にツーリスティックでもある。さらに『おかげ横丁』(公式サイト)という映画村っぽい景観にパスタ店などの脈絡ない店舗が立ち並ぶ人工的なエリアが『おはらい町』に隣接しているのだが、『おかげ横丁』は(Wikipediaによると)赤福餅を生産・販売する会社の子会社が運営しているそうだ。

『おはらい町』を通りぬけ、いよいよ内宮に近づいたところで、突然御輿を担ぐ一団に出くわした。

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『おはらい町』の通りに面して、めちゃ渋い店構の理髪店が営業していた。


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神輿の団体で賑わっていたせいか、意外と長く感じた『おはらい町』を通り抜けてようやく内宮の鳥居をくぐる。玉砂利を踏みしめながら正宮に向かって歩いていると、陽射しが眩しくなってきた。
さっきまでと天気は変わらず、ただ陽光を遮る建物がなくなったせいかもしれないが、なんだか神聖な場所に来た気がした。(実際にそうなのだが)

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伊勢神宮の敷地内は人も多く、目線レベルではわざわざ掲載するほどの写真も撮れなかったのだが、参道の両脇にそびえる大木の佇まいが荘厳でフォルムも美しく、空を見上げながら樹木の写真を何枚も撮影していた。

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正宮と別宮を一通り参拝をして、16時すぎに伊勢神宮を後にした。

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辺りは徐々に暗く寒くなっており、参拝の際にほぼ毎回並んだせいで身体が冷えてしまったので、『おはらい町』にある酒蔵で甘酒を飲んだのだが、これが今まで飲んだ中ではダントツに美味かった、というか甘酒を美味しいと思ったのは初めてかもしれない。

甘酒で身体を温めてから、五十鈴川駅までの約3km弱の道のりを歩きながら、前日満席で入れなかった伊勢海老を中心とした海鮮蒸し料理の『華月』(公式サイト)に電話をしたら幸運にも予約が取れた。『華月』は鳥羽駅から離れた場所にあるため、店のクルマで鳥羽駅までの送迎が無料で行ってくれる。

五十鈴川駅の時刻表をアプリで調べ、改めて鳥羽駅着の時間を伝えて送迎を依頼しつつ、事前にコースメニューをオーダーしておかないと料理の用意に時間が掛かると言われていたので「伊勢海老三昧コース 7,000円」を頼んでおいた。

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店に到着すると、テーブルの上では生きたままの伊勢海老が待っていた。この直後にテーブルに据え付けられた蒸し器にくべられることは、恐らく知らないのだろう。
コンロや七輪が付いたテーブルはよく見かけるが、蒸し器は初めて見た。(公式サイトに写真あり

せいろの中で伊勢海老はガサゴソと動いていたが、給仕のオバサンは儀式的な所作もなく、“さっ”と蒸し器の上にせいろを最短距離で置いた。
15分後には蒸しあがった伊勢海老が食べられるそう。

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せいろの中から伊勢海老の動く音が聞こえなくなった頃合いで(合掌)、伊勢海老の活造りが乗った刺身の盛り合わせが登場。下半身を切断されて切り刻まれた伊勢海老の、複数の脚や触覚はまだゆっくりと動いていた。「自分の身体が食べられるのを見ながら死ぬなんて、なんて残酷なことをするんだ。ヤメロ日本人」と外国の動物愛護団体が怒っているという、まさにその現場です。

超が付くほど新鮮な伊勢海老の身は、弾力とクリーミーさがお花畑でフォークダンスをしているようなマジカルな旨さでしたが、個人的には伊勢海老の頭部を見ながら食べたいとは思わない。

刺し身を一通り食べ終わると、伊勢海老の頭部は「味噌汁に入れるから」と給仕のオバサンの手によって別ルートから退場していった。まだ触覚が少し動いていたかもしれない。

この後に、小さな伊勢海老の唐揚げが出て来たが、もうすぐせいろの中の伊勢海老が“できあがりそう”とのことだったので、急いで食べた。

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さて、いよいよオープン・ザ・せいろ。
ご覧くださいこの艶やかなオレンジのボデー!(甲高い声で)

手に持ってみると、まだ熱すぎるし色んな所が尖っていて痛い。そしてずっしりと重い。頭部におしぼりを添えて左手で、シッポは右手でがっしりと掴んで「えい!」と捻ると、ギュウギュウに寄り合った身が「ぼろん」と現れた。尻尾の先までホクホクに詰まっていて、しばし無言で箸と格闘した。

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蒸した伊勢海老に夢中になっていると、テーブルの上ではいつのまにか牡蠣も蒸されていた。タンパク質が熱で変性して生まれた旨味が、水にも油にも流出せずにしっかりと閉じ込められた蒸し料理。胃もたれもしないし、もっと食べられる店が増えても良い気がする。

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〆は牡蠣の炊き込みご飯。これで7,000円ってすごくお得な気がします。

『華月』は鳥羽駅とホテルの間に位置しているので、ここからタクシーに乗れば少しは節約できる。お店の方にタクシーを呼んでもらうと、「この辺りはタクシーが少ないので、来てもらえるかどうかわからないんですよね・・・」とのことだったが、幸運にも15分後に迎えに来てくれることになった。

待っている間に、「この店から同じホテルに帰りたい客がいるので、相乗りしてもらえないか?もうタクシーが捉まらなくて」と言われたので快諾した。ここでタクシーに乗れないと大変なことにだろうし、タクシー代をシェアすればさらにコストダウンできるしね。
タクシーが到着して一緒に乗り込んだのは、埼玉から来たというシャイな若いカップルだった。

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翌日も朝の5時過ぎに起きて、6時のオープンと同時に温海水プールへ泳ぎに行った。貸し切り状態のプールで、昇る朝陽を見ながら泳ぐのは大変気持ち良く、日常から離れてリフレッシュしていることをリアルタイムで実感できた。夢の中で「これは夢なのだ」と認識しているような感じ。

泳ぎ終えたらすぐに朝飯。また「ワカメのしゃぶしゃぶ」をたっぷりと食べた。
夜明けとともに運動をして新鮮な野菜と魚介類だけをたっぷりと摂取し、22時過ぎには寝るという生活を、たったの2日間だけだったが随分と健康になった気がした。気付けばタバコも吸っていない。この生活を続ければ、良い小説が書けるかもしれない。

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帰りは松阪市に寄ることにした。松阪牛で有名な松阪市である。
本居宣長記念館や武家屋敷跡などを見物したかったのだが、見事にすべての施設が年末休業していた。仕方ない。明日は大晦日だし、ここは東京ではないのだ。それぐらい事前に調べておけよ、という感じだね。

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とは言え、ここまで来てしまったので、いつでも誰でも入れる松阪城の跡地まで散歩することにした。知らない街を歩き回るのは、それはそれで楽しいことでもあるし。

松阪城跡地には、建物以外が残っていた。(松阪市観光協会のサイト。情報が少ないけど)
石垣はなかなかの高さがあるにも関わらず、そのへりに柵がない。実際に立ってみると「おっ」と思わず声が出るほど怖い。酔って近づかない方が良いです。

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DP2 Merrillの解像度を存分に楽しめるシチュエーション。

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御城番屋敷。同じく松阪市観光協会のサイトには少しだけ情報が掲載されている

どこもかしこも休業していたが、松阪牛のステーキやしゃぶしゃぶの有名店は営業をしていた。せっかくなので食べようかと覗きこんだら、どこも1〜3万円という価格設定なので諦めた。30代後半あたりから、あまり牛肉を食べたいとも思わなくなったし。

そんな訳でとぼとぼと駅まで戻って近鉄特急のチケットを買っていると、隣りにある小さなキオスクの中から、オバサンが笑顔でこちらを手招きしながら「駅弁どうですか〜」と声を掛けて来た。メニューには1,000円前後の焼肉弁当がいくつか並んでいたが、聞けばそれらは松阪牛ではないとのこと。
「松阪牛の駅弁はないの?」とダメ元で訊ねたら、「ありますよ〜」と別のメニューを出してくれた。ただし、注文を受けてから作るので15〜20分ほど時間が掛かるが、僕達の特急にはギリギリ間に合いそうだったので迷わずお願いした。
1つあたり2,900円也。高いのか安いのか良くわからない。

お金を払ってホームで待っていると、さっきのオバサンが弁当が入った袋を手に持って小走りで届けてくれた。

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特急に乗り込んだらすぐに弁当の蓋を開けた。つくりたてなので、まだホカホカと温かい。味付けをして焼いた松阪牛が白飯の上に乗っているだけのシンプルな弁当だが、「肉の芸術品」とも呼ばれる松阪牛を愉しむステージとしてはコレでじゅうぶんだ。肉だけを食べるのがアカペラだとすると、これは弾き語りかな。どうでも良いけど。

この弁当には松阪牛の証明書のコピーが付されていた。我々がいただいたのは『ときふく5号』ちゃん、2歳1ヶ月。。なんとなく切ない気持ちになったけど、旨かったでぇぇ。。。

東京から伊勢までは約4時間半ほど。空路がないのでちょっと時間がかかるけど、さらに距離が遠くてアクセスも格段に悪い出雲大社よりはかなり身近だ。(個人的にはあの土地が持つ圧倒的なパワーに惹かれるけど)
伊勢志摩は海の幸にも恵まれているし、さらに足を伸ばせば南紀や熊野への旅の起点にもできそうなので、これからも折を見て訪れたいと思う。

江戸時代に産まれなくて良かった。

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