EF100mm F2.8L, DP2Merrill, GR 〜 3つの単焦点レンズで吉祥寺散歩

単焦点レンズの描写が良いけど、良い単焦点レンズはデカくて重いしレンズ交換が面倒くさい。だったら単焦点レンズより小さくて写りの良い単焦点コンデジを、交換レンズの代わりに持って行こう・・・と、以前投稿した「Kumamoto 1/4 〜 『熊本城』から河原町の『モラトリアム』へ」で実行したのだが、少ない装備で動き回る旅ではなかなか良かった。

ということで、EOS 6D + EF100mm F2.8Lマクロ IS USM(公式サイト)とSIGMA DP2 Merrill(以前の投稿『DP2 Merrill 〜 買った。やっぱ凄いわ。』)とRICOH GRを持って吉祥寺を散歩してきた。100mmと45mmと28mmの単焦点レンズが3つということだ。
DP2 MerrillもGRもそれぞれに得意分野とクセがあるけど、小さくて優秀なカメラには違いない。まぁカメラを3つっていうのは、散歩するにしては大荷物になんだけどね。。

Waiting
EOS 6D + EF100mm f/2.8L Macro IS USM f2.8 1/80 ISO 200

まずはハモニカ横丁へ。ふと見上げると、屋根の上でじっとエサを待つネコを発見。中望遠にはうってつけのシチュエーションかな?

GR030364
GR f3.2 1/40 ISO 1600
ハモニカ横丁にある小さなカレー店『Piwang(公式サイト)』で、あいがけカレーをGRで。この日のおカレーは「ホウレンソウとチキンのひき肉」。安定の旨さです。
わずか5席(うち2席は立ち席)で、座るとほとんど身動きの取れない狭小な店内でも、寄れる広角のGRだと難なく撮れる。これで手ぶれ補正が付いていたら最強だけど贅沢は言うまい。

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EOS 6D + EF100mm f/2.8L Macro IS USM f2.8 1/125 ISO 100
井の頭公園へ。

SDIM0072
DP2 Merrill f4.5 1/80 ISO 160
やっと明るくてゆっくり撮れる場所に出たので、まずはDP2 Merrillで。
鉄の杭のテクスチャや、そこから伸びる1本の蜘蛛の糸とそこに絡みつく小さなゴミ、水面に浮かぶ落ち葉と水の間の表面張力などが、現実の時間を止めたようにリアルに描写されていて、RAW現像した画面を観てうーんと唸ってしまう。Flickrへは横幅2,400ピクセルに縮小してアップしているんだけど、縮小するのが惜しいと感じてしまう。FOVEON恐るべし・・・と毎回感動するんだけど、これってもう写真がどうこうってことじゃなくて、単なるメカマニアの視点だな。。
早くこのカメラのポテンシャルを活かし切った写真を撮れるようになりたいです。

Wartefowls
EOS 6D + EF100mm f/2.8L Macro IS USM f2.8 1/800 ISO 100
あ、水鳥の親子とスワンボートのランデブーが!と思った時に、レンズ交換をせずにさっと中望遠レンズで撮れるのは便利だ。

GR030366
GR f4.0 1/125 ISO 100
あちこちを向くスワンボートが集まっている様子が面白かったので、広角のGRを取り出す。ローパスフィルターレスのお陰か、遠景の葉っぱのエッジもクリアに撮れている。GRは小さくて軽いので、風景を撮る時には手ブレで遠景がボケやすいので慎重に。

Japanese blues man
EOS 6D + EF100mm f/2.8L Macro IS USM f3.2 1/125 ISO 160
めちゃくちゃ渋いブルーズマンがいた。どうやら井の頭公園では有名な方のようです。
スライドを駆使したギターも歌も独特だけど、もうなんというか音楽が自分の身体の一部になっているようなパフォーマンスで、かなり見入ってしまった。観光に来ていた若い外国人も、ずーっとビデオを回してたな。
動きのある被写体だと、やはり光学ファインダーの一眼レフの方が狙いやすい。

SDIM0077
DP2 Merrill f2.8 1/80 ISO 160
同じ所からDP2 Merrillで。砂利のエッジが・・・ってのはもう良いか。

IMG_0010
EOS 6D + EF100mm f/2.8L Macro IS USM f9.0 1/100 ISO 640
こちらも同じ所から6DとDP2 Merrillで撮り比べ。やはりLレンズはヌケと色乗りが良い。

Pier
DP2 Merrill f2.8 1/125 ISO 160
しつこいけど、背景の枝葉の解像感が凄い。絞り開放なのに。
DP2 Merrillで撮る時は、ISOを下げて(個人的には200以下)脇をしっかり締め、ピントもMFでライブビューの拡大で追い込み・・・という感じで撮ってしまうせいもあるかもしれない。
良い道具って、人との関わり方を道具側が規定するか、完全にその存在を忘れさせてくれるか、この両極端のような気がする。

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EOS 6D + EF100mm f/2.8L Macro IS USM f2.8 1/200 ISO 100

遠景を絞り開放で。良いレンズだと思う。

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EOS 6D + EF100mm f/2.8L Macro IS USM f2.8 1/200 ISO 100
井の頭公園を離れて歩いているうちに、住宅街の軒先で見つけた花。
強力な手ぶれ補正が付いたマクロって便利よね。

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DP2 Merrill f5.6 2s ISO 100
次の予定まで少し時間が出来たので、軽くビールを飲みに『クアトロラボ(公式サイト)』へ。カウンターが空いていたので、スピーカーの真ん中に陣取った。
DP2 Merrillは暗所が苦手だが、お冷やが入ったコップの上に乗せ、ISO100でシャッタースピードが2秒という長時間露光で撮影したが、なんとかブレずに撮れた。我ながら変な客だよな、とは思いつつ。

GR030372
GR f4,0 1/40 ISO 1600
ほぼ同じ場所からGRで。室内の様子を伝えるには、やはり広角が必要だね。ISO1600まで上げると、さすがに暗部のノイズが厳しくなってくるが、ブログやSNSで使う分には全く問題ない。ある程度の印刷でもそこそこ耐えられると思うが・・・厳密に追い込んだことがないのでわからない。

IMG_0028
EOS 6D + EF100mm f/2.8L Macro IS USM f2.8 1/80 ISO 200
そして同じ場所から100mmで。明るいジャケットを基準にしたので、何だか宇宙空間に浮かんでいるようになってるけど、三脚があればHDRという手もある(しないけど)。

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GR f3.5 1/40 ISO 400
吉祥寺から流れ流れて最後は中野の焼き鳥屋『鳥聖』で締め。こちらも狭い店内でGRが活躍した。


メインの6Dと単焦点レンズのセットの体積が大きいので、全体としては大荷物になっているけど、6D用の単焦点レンズを持ち歩くことに比べるとやはり軽量化ができているし、何よりレンズ交換の手間が省けることは大きなメリットだと思う。

デメリットとしては、写真データがカメラの台数分に分散するので管理がやや面倒なことかな。加えてホワイトバランスを始めとした、写真のトーンにバラつきが出ることも。
一方でレンズ以上にカメラの個性が違うことから、撮る側のスタンスが変わってしまうことでカメラごとに写真が変わってくる・・・ということは、デメリットではなくて写真とカメラの楽しみを拡げてくれることじゃないでしょか。

限定された空間で確実に撮らなくちゃいけないなら、迷わず6Dに標準ズームレンズを付けて持って行くけど、何を撮るかも決めていない散歩のお供なら、こんな感じで良いんではないかなぁ。