Mt. Mitake 3/3 〜 河鹿園

やっと晩飯だ。蕎麦を食べたばかりだが、もう腹が減って来た。
しかしブログを書いてみると、僕はいつも「次に何を食べるか」ということばかりを考えていることに気付く。「もっと世の中を良くするために」とか「この後の人生をどう生きるべきか」というような40代にふさわしい、とまでは言わないけど、何かもっと生産的なことを考えることはできないものか?と思ったりもする。
でもすぐに忘れる。

<<<御岳山の一つ前の投稿はこちら

Glass fishes
“御帳場”で売られていたガラス細工。館内の廊下には、かつての宿泊客だった文人墨客の手による書画も飾られており、華美ではない品の良さをそこかしこに漂わせている。

Japanese-style inn
高級旅館や5つ星ホテルのような洗練されたホスピタリティとは趣が異なるが、旅館の主からも女将からも「客をもてなしたい」という気持ちが伝わってくる。建物や調度品は、古いものを丁寧に使い続けられており、ホスト側の素朴な接客と相まって居心地は良い。
観光産業の荒波に揉まれて、人工的な旅情を量産する観光地をわざわざ避けて、奥多摩に来た甲斐があるというものだ。

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宿泊した部屋の前に置かれた懐かしい黒電話は、ちゃんと帳場に繋がる現役だ。

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さて、いよいよ晩飯。当初は「野遊」を予約していたのだが、レビューを見ると量が足りないという声もあったので、家を出る前に「七代」に変更してもらった。これで約2,000円のアップ。(公式サイトのメニュー

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春の山菜は生命力に溢れていて本当に美味しい。

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「野遊」と「七代」の違いは、コースに酢の物が一品追加されることと、川魚の塩焼きがテーブルの上で炭火で焼かれること、そして高級な器で料理が供されることだった。

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御嶽駅の隣にある沢井駅は、『澤乃井』でお馴染みの小澤酒造のお膝元である。日本酒を頼んだら、当然のように澤乃井の五段仕込(公式サイト)を出してくれたんだが、一口飲んで「澤乃井ってこんなに美味しかったんだっけ?」と驚いた。まろやかで甘みもあり、この日の料理にとても良く合う。しかもビールより安かったし。

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デザートの前の御飯。添えられた一輪の花が目に麗しい。

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木の皮の包みを開けると筍ご飯だった。いつもは夕飯に炭水化物を取らないし、この時点ですでに満腹だったんだが、ひとくち食べたらあまりに美味しくてぺろりと平らげた。やはり、野菜と魚だと胃もたれしないね。

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〆のデザート。この木のスプーンは御帳場でも売られていた。

出て来た料理を全て完食して「もうコレ以上は胃に何も入りません」、というぐらいに腹いっぱい。前述のとおり、レビューでは「料理が足りない」という書き込みも散見されたが、皆さんは丈夫な胃をお持ちなんですなぁ。。
酒も大瓶1本に日本酒を1合と、いつもの3分の1程度しか飲まなかったが、日中に歩き疲れたせいかこれ以上は欲しくないし眠い。
部屋に戻ってもう一度風呂に入り、布団に入ったらすぐに寝落ちた。

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昨晩は早く寝たので、6時過ぎには目が覚めた。
窓を開けたら山に朝靄がかかって、一晩を山間で過ごした実感が沸々と湧いてきた・・・とこの景色を見て、花粉症なのに杉林のすぐ傍に近付いてしまったことに今さら気付いた。
ここ数年、花粉症の飲み薬『ザイザル』と、眼と鼻の洗浄を頻繁に行うことで随分と症状を抑えられている。もう克服したと言っても良いのかもしれない。
朝食は7時半からなので、二度寝をしたりしてだらだらと過ごす。至福タイム。

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満腹の極みで床に就いたのに、朝目覚めたらもう腹が減っていた。

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「七代」ではお釜でご飯を炊いてくれる。バリバリになったおこげが美味しく、釜のご飯を余さず食べられた。

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これも「七代」の特典の炭火焼き。

食べ終えたら朝風呂に入ってチェックアウトの準備をする。特に予定のない旅なのに、宿に着いてからチェックアウトするまでのアレコレは、何故だかいつも慌ただしい。

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荷造りをしてチェックアウトまで残り3分というところで部屋を出たら、斜向かいの部屋で器の展示販売会をしていたので、時間はないけど覗いてみる。

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部屋の中央にひろげられた器たち。壁際にもずらりと並んでいた。
中には高額な器もあったけど、監視員も販売員もいない不思議な空間だった。

器をザッと見回して部屋を出て、御帳場で会計を済ませて宿を出る。

この後は特に予定もないので周囲の散策をしようとも考えたが、iPhoneのアプリによると1時間以内に雨が降り出しそうだったので、澤乃井の工場の隣にある『澤乃井園(公式サイト)』まで歩いて、沢井駅から電車に乗って帰ることにした。澤乃井の工場は見学もできで人気なのだが、当日の10時に電話をした時点では、11時スタートの回は既に埋まっていたので諦めた。
気ままな旅も良いのだが、ある程度は下調べと段取りをした方が滞在を楽しめるんだよね。ということは何度も経験して理解しているんだが・・・。

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宿から多摩川の遊歩道に出て、青梅線で一駅ぶん離れたところにある澤乃井園へ。

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この遊歩道は本当に気持ちが良くて、距離にして約1.5kmの澤乃井園にはあっという間に到着した。

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澤乃井園の入り口には「さわのすけ」が。

rabbit
敷地内には、人を喰ったような表情のウサギが寝そべっていた。この辺りには、野うさぎが多いのかな。

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工場直営の売店には、会員でなければ買えない酒も売られていたが、「本醸造 朝懸けの酒」を買った。敷地内には10種類以上を比べられる利酒処も(公式サイト)あったが、1時間に2本程度しかない列車が間もなく到着しそうなので、急いで沢井駅に向かった。

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沢井駅に続く坂道の、右側に立ち並ぶ板塀の向こう側が小澤酒造。
この時点でまだ11時半ごろ。帰りは中野で降りてカレーを食べて、15時前には家に着いた。

青梅と奥多摩を結ぶ45号線は、いつもは車やバイクであっという間に通り過ぎるだけだったが(バイクなら半日ツーリングのルートだ)、駅を降りてゆっくりと散策してみると、程よく自然が残る素朴で気持ちの良いエリアだったことに気付いた。
伊豆や箱根といった、産業として洗練された観光地に飽き飽きしている人の目には、奥多摩のひなびた(褒め言葉)佇まいが新鮮に映るんじゃないだろうか。しかも新宿から1,000円程度で来られるというのも嬉しい。

また来よう。

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