CONTAX TVS 〜 モノクロフィルムで撮ってみた

以前の投稿「CONTAX TVS 〜 約15年ぶりに撮ってみた」で久しぶりにフィルムで撮影したんだが、コンパクトカメラの限界なのか、フィルムとカメラに不慣れでちゃんと扱えていないせいか(たぶんこれが原因)、現像されたプリントを見て「かなりイマイチだな〜」と感じていた。
(上記の元記事に追記。カラーでもだいぶ良い感じに撮れるようになった)
イマイチだと感じていたのは、主に解像感と発色の再現性だけど、この点についてはもう35mmフィルムのポテンシャルでは最新のデジカメのデータをPhotoshopでレタッチした画像には及ばないだろう。だからこの先TVSで撮ることは無いと思っていたが、TVSにモノクロフィルムを入れてGRのようにスナップショット的に撮れば、そういったデメリットを気にせずに”写真”を楽しめるんではないかと考えた。

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で、早速テスト撮影。

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フィルムはKodak T-MAX400で、現像とプリントはナショナル・フォートのモノラボ(公式サイト)に出した。どうやらモノクロフィルムの現像を適切に行なってくれるラボは、現在ではかなり限られているようだ。ちなみに掲載している画像は、L版のプリントをEPSONのES-10000GでスキャンしてPhotoshopでコントラストのみ調整したもの。しかも、プリントに近いかどうかではなく見た目の好みで調整しているので、このページに掲載している画像だけでフィルムの特性を判断するのは危険です。

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カラーだとストロボの光が当たった部分が「なにかが失われた感じ」になるんだけど、モノクロだとなんとなく自然な絵になっているような。あと、一眼+クリップオンストロボと比較すると、コンパクトカメラではストロボが光っても周囲の人があまり気にしていない、というか警戒されないような気がする。

ここから下の画像は、日を改めてKODAK 400TXで撮影したもの。

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何かが写り込んでいる・・・

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ちなみに同じ日にRICOH GRで撮影した画像がこちら。
(ISO3200 1/40 f3.2で撮影し、GR本体のRAW現像でモノクロ化)

Nao
粒子は粗いけど、やはりちゃんと「デジカメの画像」って感じがするね。

フィルムで撮影したとはいえ、プリントに反射した光をスキャナの受光素子から取り込んでデータ化しているので、最終的にはデジカメより情報が失われているだろうから、フィルムとデジタルを比較してどちらが現実に近いかをココで論ずるのはナンセンスだと思う。音に例えると、生演奏をアナログテープで録音し、それを再生したスピーカーにマイクを近づけてデジタル録音したようなものだから。(喩えたつもりが余計にややこしくなったか)

でも、この”アジ”を愉しめるなら、フィルムで撮るのは全然アリな選択だと思う。なにより、「その場で実際に目で見た光を化学的に閉じ込めて遺す」っていうのはロマンチックなことじゃないですか。

おっと、今回はフィルムとデジカメを比較したいのではなく、「CONTAX TVSでモノクロ写真を撮影したらどうなのか?」っていう話題だったな。
カラーフィルムでは色々と残念なところもあったTVSだけど、モノクロだったらこのテイストもアリじゃないかな~と思いましたよ。ちゃんとしたウデがあれば、良い写真を撮れそうな気がする・・・。(結局はココの問題)

もちろん、もっと美しく撮るなら相応のカメラとレンズが必要なんだろうけど、「ポケットからサッと取り出して、その場の光を物理的に保存する」という行為を愉しむには、今の僕にはTVS+モノクロフィルムの組み合わせで不足はありません。

これからもTVSを使っていこう。