昨年の11月の3連休に、伊豆の川奈ホテル(Wikipedia)に一人でぶらりと泊まりに行った。いわゆるクラシックホテルというカテゴリに属する由緒正しいホテルだが、楽天トラベルで伊豆の当日宿泊を検索してリストに表示されるまでは、その存在すら知らんかった。予約したのは部屋タイプがお任せの素泊まりのプランで21,000円(税込)。身分不相応ではあるが、夏から取り掛かっていた負荷の高い仕事を終えたばかりで、ストレス発散とリラックスすることが目的だったのでまあいいかと。伊豆の高級旅館なんて、その3倍以上することもあるしね。
というわけで朝の9時過ぎにネットで予約して、すぐに家を出て新幹線に乗り込んだ。
パソコンもKindleも持たない旅行なのでアナログ本をお供に。何年ぶりなのか思い出せないほど久しぶりのデジタル・デトックスの旅(iPhoneとデジカメは手放せないけど)。
熱海駅で伊豆急行線に乗り換える。
伊東駅に到着。
なお、これ以降の写真に人がほとんど写っていないけれど、街にはそこそこ観光客がいたし、特にホテルはほぼ満室かというぐらいに賑わっていたので予め補足しておきます。
送迎バスの時刻まではたっぷり時間があるので、伊東駅前で蕎麦を食べることに。本当はせっかく伊東まで来たのだから、3ヶ月前に訪れた『すしの寿々丸(公式サイト)』で地物の握りでもつまみたかったが、「伊豆にある高級ホテルのディナーなんだからとびっきりの魚介類がズドンと出るでしょ〜」と期待を膨らませての蕎麦。しかしこの考えは完全に間違っていた。
蕎麦屋を出る。ふんわりとした潮風が、おじさんのスラックスもまくり上げる。
指定された場所で送迎バスを待つ。伊豆とはいえ11月は結構寒い。目の前ではつむじ風が落ち葉や小さなゴミを吸いこみながら、ゆらゆらと左右に移動していた。
バスを待ちながらWikipediaの川奈ホテルのページを読んでいると、
やがて送迎バスが来たものの、利用者は他に一組ほどしかいなかった。
送迎バスでホテルに到着すると高級車がずらりと並んでいた。エントランスにはゴルフバッグ置き場があり、ゴルフバッグとその主らしき紳士たちでごった返していた。ここは、高名なゴルフコースを擁することでも有名なホテルなのだ。
バスから降りてレセプションに向かうものの、ホテルマンからは全く声を掛けてもらえない。やはり自分は招かれざる客なのだろうか、などとは考えないことにする。
チェックインまではまだまだ時間があるため、ゆったりとしたメインロビーで寛ぎながら待つことにする。なにしろ、やるべきことは何にもないし。
メインロビーの隣には喫煙可能な第2ロビーがある。
第2ロビーの全景(夜だけど)。贅沢な空間だ。
館内マップ。そういえば富士屋ホテル(投稿記事)でも、そこかしこにレトロな表示板を残していたな。
ホテルの敷地内に最近できたばかりの温浴施設『ブリサマリナ』は、潮風と眺望が気持ち良い露天風呂やサウナも備えていて、温泉を目当てに訪れてもそれなりに楽しめる。(富士屋ホテルの大浴場は驚くほど小さかった)
部屋。海側ではなく入り口に面しているが、富士山がくっきりと見えた。
温泉を出たらすぐにディナーへ。このホテルは天井の照明に目を遣っても、その意匠から歴史に思いを巡らせたりして楽しめる。
まずはサラダから。獲れたてぴちぴちの魚介類がお皿の上で運動会、そんな和食は選べなかったのです。それが明治以降の上流階級のために、西洋文化のディストリビューターを買って出たクラシックホテルの宿命なのかもしれない。
以下、メニューをメモり忘れたので写真から調理法を想像してください。すみません。
立派なエビとホタテとイクラを用いたなにか。
コンソメスープ
和牛とおもいきやオーストラリア産だったようなそうでないような。ともかく柔らかくて旨かった。近ごろカラダが牛肉を求めなくなったので、アラカルトではオーダーしなくなってしまったけど、これはぺろりと完食。他の料理もいちいち書いていないけれど、安定的に美味しかったです。
おっさんの一人旅の夜を締めくくるに相応しい、上品できゃわゆいデザート。
ディナーの後は当然のことながらホテルのバーへ。ここも照明が味わい深い。
国内に限らず、ホテルにバーがあるならば、まず一度は扉を開けてウイスキーを飲むことにしている。これは村上春樹の影響かもしれない。どんな土地であれ、ホテルのバーではまずハズレに出くわすことは無いけれど、上海の外灘のすぐ傍にあったビジネスホテルと、バンコクの空港にほど近い風俗街の裏側で泊まったトランジット専門みたいなホテルのバーは酷かったな。ビールが運ばれた瞬間に床掃除が始まったりして。でも楽しかったけどね。
後編に続く
というわけで朝の9時過ぎにネットで予約して、すぐに家を出て新幹線に乗り込んだ。
パソコンもKindleも持たない旅行なのでアナログ本をお供に。何年ぶりなのか思い出せないほど久しぶりのデジタル・デトックスの旅(iPhoneとデジカメは手放せないけど)。
熱海駅で伊豆急行線に乗り換える。
伊東駅に到着。
なお、これ以降の写真に人がほとんど写っていないけれど、街にはそこそこ観光客がいたし、特にホテルはほぼ満室かというぐらいに賑わっていたので予め補足しておきます。
送迎バスの時刻まではたっぷり時間があるので、伊東駅前で蕎麦を食べることに。本当はせっかく伊東まで来たのだから、3ヶ月前に訪れた『すしの寿々丸(公式サイト)』で地物の握りでもつまみたかったが、「伊豆にある高級ホテルのディナーなんだからとびっきりの魚介類がズドンと出るでしょ〜」と期待を膨らませての蕎麦。しかしこの考えは完全に間違っていた。
蕎麦屋を出る。ふんわりとした潮風が、おじさんのスラックスもまくり上げる。
指定された場所で送迎バスを待つ。伊豆とはいえ11月は結構寒い。目の前ではつむじ風が落ち葉や小さなゴミを吸いこみながら、ゆらゆらと左右に移動していた。
バスを待ちながらWikipediaの川奈ホテルのページを読んでいると、
東京急行電鉄総帥の五島慶太からホテル前に伊豆急行線の駅を作る提案を受けた時に、「当ホテルはリゾートホテルの趣旨を理解されたそれなりのステータスのお客様を対象としており、それらの方々は自家用車で来られるわけであるから、電車で来場する一般客を対象としているわけではなく、そのために騒がしくなることはホテルの趣旨に反する」と断った逸話は有名な話である。との記述が。ほぅほぅ。
引用 - Wikipedia
やがて送迎バスが来たものの、利用者は他に一組ほどしかいなかった。
送迎バスでホテルに到着すると高級車がずらりと並んでいた。エントランスにはゴルフバッグ置き場があり、ゴルフバッグとその主らしき紳士たちでごった返していた。ここは、高名なゴルフコースを擁することでも有名なホテルなのだ。
バスから降りてレセプションに向かうものの、ホテルマンからは全く声を掛けてもらえない。やはり自分は招かれざる客なのだろうか、などとは考えないことにする。
チェックインまではまだまだ時間があるため、ゆったりとしたメインロビーで寛ぎながら待つことにする。なにしろ、やるべきことは何にもないし。
メインロビーの隣には喫煙可能な第2ロビーがある。
第2ロビーの全景(夜だけど)。贅沢な空間だ。
館内マップ。そういえば富士屋ホテル(投稿記事)でも、そこかしこにレトロな表示板を残していたな。
ホテルの敷地内に最近できたばかりの温浴施設『ブリサマリナ』は、潮風と眺望が気持ち良い露天風呂やサウナも備えていて、温泉を目当てに訪れてもそれなりに楽しめる。(富士屋ホテルの大浴場は驚くほど小さかった)
部屋。海側ではなく入り口に面しているが、富士山がくっきりと見えた。
温泉を出たらすぐにディナーへ。このホテルは天井の照明に目を遣っても、その意匠から歴史に思いを巡らせたりして楽しめる。
まずはサラダから。獲れたてぴちぴちの魚介類がお皿の上で運動会、そんな和食は選べなかったのです。それが明治以降の上流階級のために、西洋文化のディストリビューターを買って出たクラシックホテルの宿命なのかもしれない。
以下、メニューをメモり忘れたので写真から調理法を想像してください。すみません。
立派なエビとホタテとイクラを用いたなにか。
コンソメスープ
和牛とおもいきやオーストラリア産だったようなそうでないような。ともかく柔らかくて旨かった。近ごろカラダが牛肉を求めなくなったので、アラカルトではオーダーしなくなってしまったけど、これはぺろりと完食。他の料理もいちいち書いていないけれど、安定的に美味しかったです。
おっさんの一人旅の夜を締めくくるに相応しい、上品できゃわゆいデザート。
ディナーの後は当然のことながらホテルのバーへ。ここも照明が味わい深い。
国内に限らず、ホテルにバーがあるならば、まず一度は扉を開けてウイスキーを飲むことにしている。これは村上春樹の影響かもしれない。どんな土地であれ、ホテルのバーではまずハズレに出くわすことは無いけれど、上海の外灘のすぐ傍にあったビジネスホテルと、バンコクの空港にほど近い風俗街の裏側で泊まったトランジット専門みたいなホテルのバーは酷かったな。ビールが運ばれた瞬間に床掃除が始まったりして。でも楽しかったけどね。
後編に続く